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後悔~後編~

「……わたしもだよ。わたしも絶対に忘れない。これから先、何千年経っても……月海るみとルゥを絶対に忘れない。わたしが巻き込んでしまった二人を……忘れちゃダメなんだよ」


 絶対に忘れないよ。


「ぺるぺる……ぺるぺるは強いなぁ。立派だ。ぺるぺる……これから先……もしじいちゃんがまた間違った道に進もうとしたら……とめてくれ。じいちゃんは遥か昔……ガイアが泣いてすがっても子を捨てた。本当に酷い奴だった。じいちゃんが間違えそうになったら……それは違うって言ってくれるか?」


 ……おじいちゃん。

 わたしにずっと側にいて欲しいって言ってくれているんだね。


「……うん。おじいちゃんも……わたしが間違えそうになったら教えてくれる?」


「……あぁ。こんなじいちゃんでよけりゃ……教えるぞ?」


「わたし……」


「ん?」


「……いや……何でもない」


 復讐を考えているバニラちゃんにもこんな思いをして欲しくないなんて口に出したらダメだよね。

 全てを消し去って復讐を終えたあとに傷ついて欲しくないんだ。

 今は心を聞かれないようにコントロールできているから、この気持ちは誰にも聞かれていない。

 おじいちゃんは最近わたしの心が聞こえてこない事に違和感があるみたいだけど、何も訊いてはこないね。

 バニラちゃんが昔やっていたみたいに偽の感情を聞かせる事もできるけど、そんな事はしたくないんだ。

 

 バニラちゃん……

 これから復讐をするんだよね?

 この数千年間、ずっと復讐の為に準備をしてきたんだよね?

 わたしの神力はペルセポネの身体に戻った事で完全に復活した。

 バニラちゃんはいくら力を使っても疲れない創り物の身体を手に入れた。

 数千年間わたしと過ごしてきた事でわたしの神力を勝手に使う事もできているし……

 もういつでもわたしの神力を使って復讐をできるはずだよ?

 もしかして、復讐をやめようか迷っているの?

 いや、違うね。

 バニラちゃんがおばあちゃんに向けた憎悪はかなりの物だった。

 

 もっとわたしの力が強くなるのを待っている?

 ……何かわたしに足りない力があって、その力が使えるようになるのを待っている……とか?

 ……!

 古代の闇の力?

 まさか……でも……

 バニラちゃんはガイアの力が受け継がれたから、わたしが全属性の力を使えるって言っていたけど……それが間違っていると知っている?

 それ自体バニラちゃんが考えた嘘だった?

 わたしは、おばあちゃんの言う通り、攻撃された力を吸収して使えるようになる体質だと思うんだ。

 

 だから、冥界のケルベロスがわたしから闇に近い力と強い神力の気配がするって言っていたんだ。

 わたしがハデスにされた空間移動をする為の鍛錬で、軽く闇に近い力を使った時にその力を吸収していた。

 その時はわたしから闇に近い力を感じていたんだね。

 そして、おばあちゃんと吉田のおじいちゃんが同時にわたしの記憶操作をした時に攻撃されたと誤解したわたしの身体が、その力を吸収して今度は強い神力を感じた。

 ……じゃあ、わたしは闇に近い力を使えたり記憶操作ができるのかな?

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