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絶対に赦されない事~前編~

 そんなこんなで皆で、お花ちゃんと熊太郎の島に移動すると……

 思っていたより広いかな?

 赤ちゃんが孵ればこれくらい広い方がいいかもしれないね。


「では、早速家を建てて……あとは、家具と……」


 ウェアウルフのお兄ちゃんが張りきっているね。

 物作りが大好きなんだね。


「よし! オレも手伝うぞ」


 雪あんねぇも楽しそうだよ。

 

「では、わたしは木でも運んでくるか」


 ハデスも手伝ってくれるんだね。


「ではウェアウルフ王国に家を建てる用の材木がありますので空間移動で運んでいただけますか?」


 ウェアウルフのお兄ちゃんに頼まれてハデスが空間移動をする。

 二十分くらい経って帰ってくると……


「え!? ウェアウルフ王? どうして……」


 ウェアウルフ王と息子さんが建築道具を持って来てくれた?


「ぺるみ様。家を建てると聞いたらどうしてもお手伝いをしたくなりまして。あぁ、楽しみです」


 ウェアウルフ王が嬉しそうに話しているけど……


「ウェアウルフ王……仕事は大丈夫なの?」


「はい。前王様と家を建てられるなんて……あぁ、胸が踊ります」


「ふふ。ウェアウルフ王はお兄ちゃんの事が大好きなんだね」


「はい。王になってみて初めてその苦労が分かりました。とても尊敬しています。あ、もちろんずっと前から尊敬していましたよ?」


 素敵な関係だね。

 見ているだけで嬉しくなるよ。


「お任せください。昼食前には家を建て終えます。あなた方が新しいご家族ですか? はじめまして。我々はウェアウルフ族です。よろしければ、我が国自慢のフルーツをどうぞ」


 ウェアウルフ王の息子さんが、お花ちゃんと熊太郎にお土産のフルーツを渡しているね。

 気が遣える素敵な息子さんだよ。


「あぁ……ありがとうございます」


 熊太郎が驚いた顔をしているね。


「もしかしてフルーツがお嫌いでしたか?」


「いえ、大好物です。見た事の無いフルーツもありますね。どれもおいしそうです」


「それは良かったです」


「あの……なぜ皆さんは初めて会った我々にこれほど良くしてくださるのですか?」


「え? 良くしているつもりはありませんが……そうですね……うーん。それがこの第三地区と幸せの島の『普通』だからでしょうか」


「普通……?」


「いつの間にか、我々もこれが普通になっていました」


「……わたしと妻は……こんなに素敵な皆さんと共に過ごせるなんて……幸せ過ぎて……恐ろしい……」


「恐ろしい……ですか?」


「この幸せの先に……遥か昔のような恐ろしい暮らしが待っていたら……幸せを知ってしまった今は……もう耐えられそうにありません」


 熊太郎はそんな風に考えていたんだね。

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