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ガイアが語る過去(2)

今回は月海の祖母でありペルセポネの曾祖母であるガイアが主役です。

 わたくしはゼウスに話した。


「この長きに渡る戦を終結させたいのならタルタロスにいるコットス達を連れて来なさい」


 ゼウスとハデスちゃんはタルタロスに行きコットス達を参戦させた。

 そして長きに渡る戦は終わったの。


 コットス達は天界に帰る事もできたけれど、天界に来れば母であるわたくしに迷惑がかかるからと、そのままタルタロスの番人として残る事になった。

 そして……この世界に捨てられたその子は……かなり前に魔素におかされて命を落としていた。


 結局、わたくしは誰も助けられなかった。


 ウラノスはこの世界に捨てられたその子の魂を二つに分けて良い方の魂を天界のベリアルの身体に憑依させ、悪い方の魂を自分の側に置いた。

 実際は良い魂がベリアルではなかったらしいけれど、その頃のウラノスには分からなかったらしいわ。

 もちろんわたくしにも分からなかった……

 それから、ウラノスは魔族の姿でこの世界を守り続けてきた。

 

 けれど……

 ついに悪い方の魂を受け入れられそうな身体を見つけたの。

 そう。

 ペルセポネの身体を……

 魂の無いペルセポネの身体に悪い方の魂を入れ込むとすぐに問題が起きた。


 あまりに悪い魂が、ペルセポネの身体を蝕もうとしたの。

 それを止める為にウラノスは、野心の塊のようなファルズフをペルセポネの主治医にするように仕向けた。

 ペルセポネに入れ込んだ魂を止めるには毒の力を使うしかなかったの。

 普通の医師が決して処方しないような強い毒をファルズフは赤ん坊のペルセポネに飲ませ続けた。

 ファルズフはペルセポネを病的に愛していった。

 毒に苦しむペルセポネの姿を見ては快楽を覚えていたファルズフは、ハデスちゃんに冥界に連れ去られたペルセポネを何とかして奪い返そうとしていた。

 そして……あの事件が起きた。

 

 ファルズフは天界に来ていたペルセポネを刺殺して自害したと嘘をついたの。

 デメテルは慌ててペルセポネの魂を異世界に逃がしたわ。

 ……その異世界は、ウラノスがこの世界に捨てたその子が安心して暮らせるようにと創り出した物だったけれどその子亡き後はすっかり忘れ去られていたの。

 いつの間にかその異世界には人間が産まれていたのね。

 この世界や天界とは全く違う世界がそこにはあった。


 ペルセポネの身体は水晶に入れられてファルズフが冥界に持ち込んでいた。

 そして、魂は長い時間異世界を漂った。

 その隣には神の座を退いたゼウスがいたの。

 

 ある時、ゼウスは天界を感じる熱い湯を出す泉がある事に気づいた。

 そう。

 ブラックドラゴンが創り出した泉よ?

 ペルセポネの魂はその場から離れようとしなかった。

 だからゼウスは人間の姿になってペルセポネの魂とその集落に住む事にしたの。


 それからは皆さんも知っての通り……

 ゼウスは追放されて脱け殻になっていた天族の肉体を操り、集落の人間との間に子を産ませ続けた。

 そして、ついにペルセポネの魂を受け入れられそうな肉体を作り出した。

 そう。

 月海の肉体が産まれてきたの。

 

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