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神様代理は意外に暇だね(6)

「なんだ。ブラックドラゴン達も競馬で稼いでいたんだね」


 え?

 お父様!?

 っていう事はお父様も競馬で稼いでいたの?


「お父様……ズルはしていないよね?」


「あはは。これでも神だからね。馬のその日の体調とかやる気を見極められるんだよ」


「なるほど……じゃあ神力で馬を強化したとかじゃないんだね?」


「……うん」


 今の返事……

 怪しいね。

 間があったよ?


「お父様……捕まるような事はしていないよね?」


「……してないよ」


 また間があった……

 絶対何かしていたね。


「競馬だけ?」


「……! え? えっと……その辺は、ふんわりさせてよぉ」


 また、ふんわりか……

 確実に悪さをしていた感じだね。


「ジャア、ボクハ、ベリアルト、アソンデ、クルネ」


 ピーちゃんはベリアルとすっかり仲良しになったね。

 ブレスレットを外して『人間と魔族の世界』に行ったみたいだよ。

 あれ?

 でも、この前天界に来た時にはブレスレットはしていなかったような……


「お父様? ピーちゃんはブレスレットがなくても天界に来られるの?」


「そうだよ。ある程度地位のある天族が側にいれば天界に来られるんだよ? でもブレスレットがあれば天族に送ってもらわなくても外せば、元いたブレスレットをつけた場所に戻れるんだ」


「へぇ。そうなんだね」


「でも、ブレスレットを悪用されないようにずっと預けたままにはできないんだ。天界は特別な場所だからね。自由に出入りされたら困るでしょ?」


 確かにそうだね。


「ペルセポネ、グンマの温泉は気持ち良かったわ。ゼウスの代理をしてくれてありがとう」


 お母様がお土産の温泉まんじゅうを手渡しながら髪を撫でてくれる。


「うわあぁ! これ、おいしいお店のやつだ」


「ふふ。全部同じに見えるけどお店によって味が違うのね」


「うん! ベリアルと一緒に食べるよ。ありがとう」


「そうね。ベリアルも温泉まんじゅうが好きだから」


「今日はアカデミーがお休みだから温泉の島でゆっくりしながら温泉まんじゅうを食べようかな」


「ふふ。それは楽しそうね。あぁ……代理をしている間、何も問題はなかったかしら?」


「ん? うーん。数学者が勉強を教えて欲しいって……あとは……あ! そうだ! ヘスティア、すぐに宮殿に帰って! 泥棒がいたらしいの」


「え? 泥棒? わたしの宮殿に? あらあら、早速これの出番かしら」


 ……!?

 木刀!?

 よくお土産屋さんで売っているやつだよね?

 あれを買うのは修学旅行の男子だけだと思っていたのに……

 しかも、わたしの時には修学旅行の『旅のしおり』に小さく『木刀は買ってはいけません』って書かれていたよね。

 実際に買った人を見たのは初めてだよ……


「ぷはっ」


 ……今の声は吉田のおじいちゃんだね。

 またわたしの心を聞いたの?

 天界にいるからウラノスおじい様の姿になっているね。

 二代前の聖女と一緒に過ごしていたはずだけど……

 

「吉田のおじいちゃん。遊びに来てくれたの?」


「そうだなぁ。さっきまでタルタロスに行ってたんだ」


「コットス達に会ってきたの?」


「そうだなぁ。赦してもらえるとは思わねぇけどなぁ、何度でも謝りてぇんだ。それと……コットス達に二代前の聖女の話も聞いて欲しくてなぁ」


「そっか……」


 おじいちゃんは、すごいよ。

 勇気を出してコットス達に会いに行ったんだね。

 二代前の聖女の話か……

 今日、幸せの島に埋葬するんだよね。

 気持ちの整理ができたのかな?

 すごく穏やかな顔をしているね。

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