神様代理は意外に暇だね(5)
「デモ……ベリアルハ、バニラチャンヲ、ウケイレテイルト、オモウヨ?」
ピーちゃん?
「え? そうなの?」
「ウン。ベリアルト『ニンゲント、マゾクノセカイ』ヲ、ナンドモ、タビシタンダヨ。ソノトキ、オヤト、ナカノイイ、コドモヲミテ、カナシソウニ、シテイタカラ」
「……そっか。そうだね。ベリアルはずっと母親を欲しがっていたからね」
「イマゴロ、アマエテ、イルンジャ、ナイカナ?」
「……」
「……? ルーチャン? ……ウワ」
「ぐふふ。甘えるヒヨコちゃん……ぐふふふ」
「グンマニ、イタコロト、カワッタネ」
「え? そうかな?」
「アレ? ソウデモナイカ……タシカ、トリヲ、スッテイタヨネ」
「うん。まだ小さい頃に鳥を飼っていたんだよね。小学校低学年の頃だったかな? あの頃も毎日吸っていたよ」
「ソウソウ。ズット、スッテイタヨネ。ニヤニヤ、シナガラ。アハハ」
ニヤニヤ……
そんな風に思われていたのか。
「すごくかわいくて……でも、何の鳥だったのかな? 図鑑にも載っていない鳥だったんだよ」
「タシカ、タナカノ、ジイチャンガ、プレゼント、シテクレタンダヨネ?」
「そうだったよね。お父様? あの鳥は何の鳥だったの?」
「えへへ。あれはお父様だよ?」
「……? ん? 何が?」
「だから、お父様が鳥の姿になっていたんだよ」
「……え?」
「えへへ。月海にスーハー吸われて幸せだったなぁ」
「……知りたくなかったよ」
「えへへ。もう一度鳥になろうか?」
「……いや。大丈夫」
「え? いっぱい吸っていいんだよ?」
「父親を吸うのはちょっと……」
「ええ!? 毛玉のハデスは吸っていたのに、お父様は吸えないの!?」
「……無理……かな」
「ええ!? 吸ってよぉ!」
「アハハ。グンマニ、イタコロト、カワラナイネ」
本当にその通りだよ。
あの頃もこんな風に賑やかだったよね。
これが神様か……
天界が心配になってきたよ。
そういうわたしも神様の娘なんだけどね……
「ソウダ、モウヒトツ、ハナシガ、アルンダヨ」
「え? 何?」
「ブラックドラゴント、ドラゴンオウ、ナンダケド……」
「ん? おじいちゃんとばあばがどうかしたの?」
「……ウン。イマハ、ルーチャンノ、グンマノ、イエニ、スンデイル、デショ?」
「え? そうみたいだね。人間の姿で暮らしているんだよね? まさか集落で問題でも!?」
「ウウン。スゴク、ナジンデイルヨ」
「良かった。上手くやっているんだね」
「ウン……ソレデネ? オカネヲ、カセグタメニ、ケイバ、デ、オオモウケ、シタンダヨ」
「競馬で大儲け!?」
「オンセンニ、イクタメノ、オカネヲ、カセイデ、イルンダッテ」
「……まさか馬に神力を使ったんじゃないよね?」
「……ボクモ、ヨク、ワカラナイケド、カウ、バケン、マイカイ、ヨソウガ、アタルンダヨ」
「嫌な予感しかしないね」
「……ウン」
「警察に捕まらないよね?」
「……タブン」
はぁ……
心配事は尽きないね。




