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そういえばベリス王の事ってよく知らなかったね

「では出発しましょう。ふふふ。今日の為にあつらえた新型ドレス……レースの傘もボンネットも同色でまとめて……最高だ。人間の貴族達が大騒ぎになるはずです」


 ベリス王はニヤニヤが止まらないね。

 わたしも超絶かわいいベリアルとハーピーちゃんを見つめながらハアハアが止まらないよっ!


「ぐふふ。堪らないね。こりゃ」


「ぺるみ様……人間の前ではそのお顔は……」


「……分かっているよ。ニヤニヤ禁止だね?」


「はい。優しく微笑むくらいにお願いします」


「……油断しないように気をつけるよ」


「それから、ハーピーは絶対に人間を食べないように」


「わかった。にんげん、たべない」


 ……ニヤニヤしている場合じゃなさそうだね。

 油断禁物だよ。

 

「ベリス王、わたし達はフラフラ町を歩いた後にベリス王のお店に入って軽く買い物をする振りをすればいいんだよね?」


「はい。まぁ普通に買い物していただいても構いませんが。むしろ大歓迎です……ぺるみ様達が今着ている服がショーウィンドウにありますので人間はすぐにぺるみ様がわたしの店でドレスを購入した事に気づくでしょう」


『大歓迎』って言ったね。


「なるほどね。ハーピーちゃんがお腹が空く前に帰ればいいんだよね?」


「そうですねぇ。今日はお祭りですし、遊びながら町を歩いてその後に店舗に来て……まぁ一時間くらいですね」


「人間のお祭りかあ……アルストロメリア王は宴とか記念日が大好きだからね。すごく賑やかなんだろうね」


「はい。だから今日を選んだのです。ふふふ。……実はアルストロメリアのわたしの店舗の近くにライバル店舗がありまして」


「ライバル店舗!? そうだったの?」


「他の大国でも近くに店舗を構えていまして」


「相手は人間なんだよね?」


「いえ。魔族です」


「はい!? どういう事!?」


「同じベリス族ですよ? というか、妹ですね」


「妹さん!? え? どうして妹さんとライバルなの? 一緒に同じお店を経営すればいいんじゃ?」


「妹は負けん気が強くて。幼い頃からわたしと『競っては負け』を繰り返しているのです……」


 ベリス王が昔を思い出して小さくため息をついたね。

 面倒臭かったのかな?


「でも、どうして人間相手なの?」


「魔族相手だと種族王のわたしが有利だからと……困ったものです。もう千年近く人間相手の商売を続けています」


 じゃあ、ベリス王は千年近く種族王なんだね。


「へぇ……ちなみに妹さんのお店の商売はどうなっているの?」


「ベリス族は鉄をきんに変えられるのでそれを販売しています。ですが、それだけですので言うまでもなくわたしの勝ちなのですよ。それでも負けを認めなくて……はぁ」


 さりげなく自分の勝利を口にしたね。


「チョコレートもベリス王が販売しているんだよね?」


「はい。よくご存知で」


「カカオを育てているのはウェアウルフ族だからね。そう思ったんだよ」


「なるほど。妹もぺるみ様のように賢いと良かったのですが……はぁ」


「どうかしたの?」


「もうそろそろ人間相手の商売は終わりにしたいのですよ」


「そうなの? ベリス王は商売が好きなのかと思っていたよ」


「四大国に一店舗ずつある店主は、なかなか忙しく……孵る子の成長を見守る時間が減ってしまうのです」


「え? 帰る子?」


「はい。子は五人います。ちなみに今はパートナーが妊娠中でそろそろ卵が産まれてきますよ」


「卵……だから、孵る子……」


 ベリス族には翼が無いけど卵から孵るんだね。

 吉田のおじいちゃんが創った世界だから天族と同じ出産方法なのかな?

 じゃあ、この世界の人間は卵から孵るの?

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