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止められた時の中で(1)

「うわぁっ!」


 おばあちゃんに、水の魔法石で頭から水をかけられたよ……

 うぅ……

 やっぱりお仕置きなのかな?

 

「お仕置きではないわ。さて……次は風の魔法石と火の魔法石で温風を出して……どう? 寒くない? これは攻撃になるのかしら……」


 おばあちゃんは優しく笑っているけど本当は怒っているんじゃないかな?


「寒くない……けど……やっぱりお仕置き……」


「ふふ。違うわよ。さぁ、とりあえず水の力を使ってみましょうか? 」


 え?

 水の力?

 

「魔法石の?」


「違うわ? もしかしたら……ペルセポネは攻撃した相手の力を吸収して使える力があるかもしれないの」


「……? 吸収して使える力?」


「前にハデスちゃんの殺気を使った事があったでしょう?」


「え? あぁ……うん。あの人間が先生を侮辱して腹が立ったから……」


「あの殺気は誰にでも使える物ではないの。あの時に気づくべきだったわね」


「わたしが……?」


「さぁ……想像して? あの木にだけ雨を降らせるの」


「あの木にだけ? うぅ……できるのかな?」


 集中しよう。

 おばあちゃんが真剣に話しているんだから……

 でも、力を吸収するなんて聞いた事もないよ。

 あ……

 わたしの怪力はヘラに育児を手伝ってもらっていたからだと思っていたけど、もしかしたらヘラの愛情を攻撃と勘違いしてその力を吸収したって事?

 そんなわけないよね?

 遥か昔のペルセポネだった『わたし』が怪力だった記憶は無いし。

 それとも、ファルズフの毒で辛かったから怪力を出せなかったとか?


 とりあえずやってみよう。

 集中して……

 よし!

 水の力であの木にだけ雨を降らせるよ。

 

 ……!?

 え?

 木の葉が揺れた!?

 雨だ!

 あの木にだけ雨が降り始めた。

 普通の雨……?

 違う。

 他は降っていない。

 じゃあ……

 本当に魔法石で攻撃されたから力を吸収したって事?

 あ……

 ちょっと待って?

 ペルセポネに戻ってからハデスに色々鍛錬されたよね。

 って事は……


「おばあちゃん……氷の力も使ってみるね?」


 今、おばあちゃんは氷の魔法石は使わなかった。

 それに雨の場合は普通の雨の可能性もあるだろうし。

 まぁ、あの木にだけ降るのは変だけどね……

 暖かい今の季節だから氷なら自然現象と間違える事は無いから。


 そうだ、氷でできたベリアルを作ろう。

 等身大で……ぐふふ。

 寝癖も忠実に再現して……と。

 おお!

 かわいい!

 超絶かわいいよ!

 絵は絶望的に下手だけど工作は好きなんだよね。

 って、そうじゃなくて!


「これ……どうなってるの?」


 まさか、本当に攻撃された力を吸収するの?


「まだ分からないわ? 攻撃以外でも力を吸収するのかもしれないし……」


「でも、吉田のおじいちゃんは、かなり前からわたしの心を聞いたりしていたけどわたしが誰かの心の声を聞いたのはついさっきだよ?」


「そうね……わたくしとウラノスが同時に力を使った時にそれを攻撃と間違えた……と考えるべきかしら。ハデスちゃんは鍛錬の時に全ての魔法石を使ったのかしら?」


「えっと……確か、火と水と氷と……雷かな?」


 空間移動ができなかったわたしの為にかなり危ない攻撃を魔法石でしてきたからね。

 あれは本当に怖かったよ……


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