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おばあちゃんの秘密(3)

「自分以外の神力を体内から出したという方が分かりやすいかしら」


 おばあちゃん……?


「え? わたしが無意識に?」


 確かあの時は……ベリアルを掴まえようとしていたんだよね?

 何の記憶を消そうとしたのかな?

 あ……


「ペルセポネ……何か……思い出してはいないかしら?」


 おばあちゃんが心配そうな顔をしているね。


「わたし……」


 そうか。

 おばあちゃんとおじいちゃんとゴンザレスが心を聞く力があるから、心を読まれないようにしていたんだ……


「あぁ……思い出していないのならいいのよ……」


「……絶対に思い出してはいけない事を……わたしが思い出したから、慌てておじいちゃんとおばあちゃんが記憶を消そうとして……わたしがそれを無効化したっていう事?」


「……そうね。ペルセポネには……辛い思いをして欲しくなくて……ウラノスもかなり慌てていたようね」


 それって……

 あの時の記憶の事だよね。

 確かにベリアルを掴まえようとした時に脳裏によぎったよ。


「それって……ベリアルが……人間を……」


「……! 思い出していたのね……」


 やっぱり、あの時の……

 おばあちゃんの身体が小さく震えているね。


「うん。あの時……遥か昔『吉田のおじいちゃんの息子さん』を人間が襲いに来たの……」


 ベリアルが人間を惨殺したんだ。

 でも……あれは人間が悪かったんだよ。

 抵抗しないベリアルを笑いながら殺そうとして……

 それを庇おうとしたベリアルの子孫の女の子が怪我をして……

 だからベリアルが……

 ……?

 あ……

 これって……

 この世界の補正力なのかな?

 今……人間をすごく嫌いになった……

 じゃあ、この世界がわたしにその記憶を蘇らせたって事?


「ペルセポネ……もう話さなくていいわ……」


 おばあちゃんが話させたくないのはベリアルの事?

 それとも世界の補正力の事?

 お母様には聞かせたくないのかな?

 分からないから今は話さない方が良さそうだね。


「あぁ……あのね……吉田のおじいちゃんが何度かわたしに記憶操作をしていたの。でも……わたしには記憶操作が効かないらしくて……」


「そうだったのね。ペルセポネにはそういう力があるのかもしれないわね。そうでなければわたくしやウラノスの記憶操作を無効化できるはずがないもの……」


 おばあちゃんには、吉田のおじいちゃんの記憶操作が効かないのかな?

 なんとなくそんな感じがするね。

 

「……わたしには治癒の力があるでしょ? 他にも何か力があるのかな?」


「そうね……神である『ゼウス』とその姉である『デメテル』の娘……そして、初代の神である『ウラノス』とその母親のわたくしの『息子の魂』でもある……強い力があっても不思議ではないわね」


「……その力で……人間を襲ったり……しないよね? 我を忘れて……あの時のベリアルみたいに……」


「大丈夫よ。もし、そうなりそうになったらわたくしが絶対にとめるわ? デメテルもとめてくれるわ。……ね?」 


「もちろんよ。ペルセポネが人間を好きな事はよく分かっているから、そんな事になりそうになったら、絶対にとめるわ。だから安心して?」


 お母様……


「……うん。心が弱っていたらこの世界の補正力に負けちゃうかもしれないって言われていたの。ダメだね。もっと強くならないと……」


「ペルセポネは充分強くなったわ? だから……これ以上無理はしないで?」


 お母様は本当にいつもわたしを大切に想ってくれるんだよね。

 

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