表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

601/1484

オレが初代の神の息子だったなんて(4)

今回はベリアルが主役です。

「大罪を犯したのだ。わたしは子を捨てるというあってはならない大罪を……罵ってくれ……その方が……心が楽なのだ……」


 じいちゃんを罵れって……?


「……ぺるみは……じいちゃんを赦したんだな。それで心が痛かったのか? 赦してもらって心が痛かったのかよ!」


 オレはぺるみみたいに優しくなんてないんだ!

 ぺるみみたいには、なれないよ。

 オレは何をしても赦してくれるぺるみとは違うんだ。


「……ペルセポネは……ペルセポネも……わたしのせいで苦労させてしまった。赦してもらえるはずがない。だが……ペルセポネはわたしにいなくならないで欲しいと言ってくれた。お月ちゃんが悲しむから……ペルセポネも悲しいから……わたしが……ひとりで寂しく過ごす姿を想像したくないと……ベリアルは、ずっと寂しく暮らして来たのに……わたしは……まだ第三地区にいるのだ……愚かだな……わたしは本当に愚かだ」


 ぺるみは赦したのか。

 ぺるみはどうして赦せたんだ?

 優しいから……?

 いや……そうじゃない。

 オレには分かるだろう?

 じいちゃんは……心からオレとぺるみを大切に想ってくれているんだ。

 そんなの……ずっと前から分かっていただろう?

 ヒヨコの姿で幸せの島に来てからじいちゃんはマンドラゴラの赤ちゃんとしてずっとオレの側にいてくれた。

 第三地区で暮らすようになってからもじいちゃんとしていつもオレを見守って……甘やかしてくれて……

 でも……


「……赦せないよ。オレは赦さない。でも……じいちゃんの事は……嫌いじゃない……でも……赦さない」


「ベリアル……」


「ぺるみは……消えないよな? オレが満足しなかったら消えなくて済むんだよな?」


「……それは……誰にも分からないのだ……」


「オレ……一番大事な心に蓋をするよ……」


「ベリアル……?」


「オレ……ぺるみの事が……大好きなんだ。愛してるんだ……でも……この心に蓋をするよ。そうすればオレは満たされないからぺるみは消えないはずだ」


「……ベリアル」


「オレ……ぺるみの所に行くよ……絶対にぺるみは消えないから……消させないから」


「ベリアル……」


 これでいいんだ。

 ぺるみが消えずに済むのならオレの気持ちなんてどうだっていいんだ。

 ぺるみ……

 待ってろ。

 体調が良くなるまでずっと抱っこさせてやるからな。

 もうこれ以上一人て抱え込ませないから。

 過去はもう変えられないから……オレは……これからオレとぺるみが幸せに暮らせる方法を見つけないといけないんだ。

 これ以上オレを庇ってぺるみに傷ついて欲しくないから……

 もう守られてばかりのオレは終わりだ。

 オレはもう恋心に蓋をするから……

 ぺるみを守るんだ。

 世界で一番大切なぺるみをオレが守るんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ