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先天性獣接触安定症?

「ゼウス、うさちゃんは見つかったの?」


 お母様が呆れながらお父様に尋ねている。


「それが、何度気配を辿っても全然見つからないんだよ」


「そうなのね……やっぱり、宝石の姿で眠っているのかもね」


「でも、天界にいるのなら宝石の姿でも見つかるはずだから……もしかしたら、冥界かこの地上にいるのかも」


 おぉ……

 お父様が真面目な話をしている。


「いや、冥界にはいないだろう。ケルベロスが見逃すはずがないからな」


 ハデスの言う通りだ。

 ケルベロスが門番だから冥界にはいないだろうね。

 冥界には空間移動をしても絶対に冥界の門の手前にしか行けないんだよね。

 門番のケルベロスの許可無く勝手に冥界には入れないんだ。


「そうね。じゃあ、地上のどこかで眠っているのかしら……」


「お母様? 宝石だと思われて加工されていないよね?」


 心配だよ。

 大丈夫なのかな?


「ふふふ。大丈夫よ? そうはならないわ? うさちゃんは強いから」


「強い? うさちゃんが?」


 真っ白いフワフワの毛に真っ赤な瞳で、いつもわたしにぴったりくっついてウトウトしていた、あのうさちゃんが?


「そうだぞ? あのウサギは凶暴だからな。心配いらない」


 ハデス?

 凶暴って?


「そうだよ? ペルセポネが産まれた時にあまりにかわいくて心配だったから護衛をつけようと思っていたら、先天性獣接触安定症だって診断されてね。だから、護衛兼モフモフでうさちゃんが来たんだよ? お父様が見つけてきたんだよ? 偉い? ねぇ偉い?」


 先天性獣……?

 何それ?

 誰がそんな適当な診断をしたの?

 あぁ……主治医のファルズフか。  

 その頃はまだわたしに執着していなかったんだね。

 幼子好きのウリエルにとってはパラダイスの始まりだっただろうね。

 それにしてもお父様は瞳をキラキラ輝かせて撫でて欲しそうだね。


「ゼウス様、執務室にお戻りください。書類が山積みです」


 あ、ウリエルだ。

 成長したわたしには興味が無いみたいだね。

 ん?

 一瞬わたしのお腹を見た?

 まさか……お腹に赤ちゃんがいるかの確認!?

 そんなはずないか。

 ……いや、あるかも。


「ええ!? 今来たばかりだよ!? 嫌だよ! ペルセポネともう少しだけええぇ!」


 あぁ……

 お父様が無理矢理、空間移動で連れていかれたね。

 神様って大変だね。


「仕方ないわね。ヘラ、一旦天界に帰ってゼウスを見張りましょ?」


 ……お母様も大変だね。


「そうね。明日の人魚の海域に行くのが今から楽しみね。ふふふ」


 ヘラはご機嫌だね?

 人魚には嫉妬しないのかな? 


「じゃあ、ペルセポネ? お昼過ぎにお母様の宮殿で待っているわね。ゼウスの所に行くと仕事をしなくなるから」


 お母様が優しく抱きしめてくれる。


「うん。天界も久しぶりだね」


 最期の時以来か。

 思い出すと身体が震えるね。

 ペルセポネの身体に戻ったからかな。


「聖獣達も会いたがっていたわよ?」


 ……!?

 聖獣!?

 そうだった!

 地上にはいない、かわいいモフモフがいっぱいいるんだった!

 ふふふ。

 モフモフパラダイスの始まりだねっ!

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