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ハデスは立派だよ。オレとは全然違うんだ

今回はベリアルが主役です。

「ベリアルは今はどこにいるのだ?」


 ハデスがオレを捜しているのか?

 まさか邪魔なオレを追い出すつもりなのか?


「かわいそうに……泣きそうな顔をして自分の部屋に戻ったわ。でも……ベリアルに真実を話したら、傷ついてしまうはずよ? ペルセポネはベリアルを傷つけないように真実を話さないと決めたの。全て自分一人で解決しようとして……でも、わたしはベリアルにも話した方が良いと思うの。もしかしたら……本当にペルセポネは消えてしまうかもしれないわ? でも、ベリアルも真実を知っていれば消えずに済むかもしれない……」


 デメテル……?

 オレが真実を知ればぺるみが消えない?

 それって……?


「だがベリアルの心は天界で酷く傷つけられて……真実を知れば更に傷つく事になる。ペルセポネはベリアルを大切に思っているのだ。真実は話さない方が良いだろう。ベリアル自身が知ろうと思わなければ……知っても傷つくだけだ」


 ハデスはオレを大切に思ってくれていたのか……?


「とりあえず……ゼウス? ペルセポネの神力は元通りになったのよね?」


「うん。でも、透明になったり二つの神力が流れ込んだのがどうしてかは分からないんだ」


 デメテルとゼウスは一度ペルセポネ様を喪っているから心配で堪らないよな。


「……もしかしたら……ベリアルの件とは無関係なのかもしれないわね。突然二つの神力がペルセポネの身体に流れ込んで……体内にペルセポネの神力も合わせて三つの神力がある状態になった……? それで身体が透明になったのかも……」


「複数の神力が何かしらの反応を起こして透明になったのか? だが……それほど強い神力がどこからペルセポネに流れ込んだのだ? 今は堕天使は皆天界に戻ってベリアルだけしかこの『人間と魔族の世界』にはいないはずだ。だが入り込んだ神力はベリアルのものでは無かったのだろう?」


 ハデスの言う通りだ。

 オレ以外の堕天使は皆天界に戻ったんだよな?

 誰の神力なんだ?


「……うん。ベリアルよりも強い神力だったよ? もしかしたら……」


 ゼウス……?

『もしかしたら』なんだ?


「ゼウス……まさか……ゼウスよりも強い力……とでも言うつもりか?」


 ……ゼウスよりも強い神力?

 ゼウスはこんなダメダメだけど神なんだぞ?

 そのゼウスよりも強いなんて……

 ハデスはかなり混乱しているみたいだな。


「うーん……もしかしたら……だけどね」


 ゼウスもそう思っているのか?

 でも、ゼウスより強い奴なんて……

 しかも、二人もだろ?

 なんでそんな奴がぺるみを攻撃したんだ?

 神の娘だから狙われたのか?


「ペルセポネを攻撃しようと神力を体内に入れたのだろうか……」


 もしそうだとしたらハデスはそいつらを倒しに行くのか?

 かなり強いんだよな?

 でも、ハデス達ならやるんだろうな。

 ここでグズグズしているオレとは違うんだ。

 ……ぺるみはハデスのこういうところが好きなんだろうな。


「それは違いそうだよ? あれだけの神力があれば確実に一撃で仕留められたはずだよ? でも、そうはしなかったし……少し優しい感じがしたっていうか……」


 一撃で……?

 そんな……

 でもそうはしなかったって事は悪い奴じゃないのか?

 ゼウスが言うならそうなんだろうけど……


「優しい感じ……?」


 ハデスも困惑している……


「うん……でも……とりあえず……今はペルセポネをゆっくり寝かせてあげよう? かなり辛かったはずだから」


 ゼウスの言う通りだな。

 中にじいちゃんはいないのかな?

 声が聞こえてこなかったけど……

 

 今聞いた話はオレの知らない事ばかりだった。 

 しかも、オレがぺるみを吸収する?

 何がどうなっているんだ?

 

 知らなきゃいけない。

 知らなきゃいけないんだ。

 オレがぺるみを消すなんて絶対にダメだから。

 初めてオレに『幸せ』を与えてくれたぺるみを、不幸にするなんて絶対にダメだ……

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