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オレだけが知らない何かがあるのか?

今回はベリアルが主役です。

「ぺるみ!」


 どうしたんだ?

 最初は倒れた振りをしてオレを掴まえようとしているのかもって思ったけど……

 違う……

 顔色が悪すぎるだろ?

 神力が滞っている?

 どうして突然こんな事に……


「ペリドット!? どうしたの!? しっかりして!」


 ココがぺるみに駆け寄ってきたな。


「どうした!? 何があったのだ!?」


 ハデスと人化しているヴォジャノーイ族の三人も慌てて近づいて来たけど……


「分からないんだ。突然倒れて……」


 どうしてだ?

 さっきまでは元気だったのに……


「とりあえず、帰るぞ」


 ハデスの言う通りだ。

 急いで帰って滞っている神力を流さないと。

 あ、人間はヒヨコしか空間移動できないと思っているんだ。

 ハデスが今空間移動したら面倒な事になるぞ。


「オレが空間移動するから……ジャック達、ごめん。夕方のぺるみとの予定はまた今度にしてくれ」


 ぺるみが目覚めたら気にしそうだからな。


「もちろんです! オレ達の事は大丈夫ですから!」


 ジャック達もかなり心配しているみたいだ。


「じゃあ、行くぞ!」


 

 ……第三地区に着いたな。

 ゴンザレスは……うん。

 ちゃんといるな。

 いつもフヨフヨ飛んでいるから置いてこなくて良かった。


 でも……ぺるみはどうしてこんな事に?


「ペルセポネ!」


 白いヒヨコ?

 デメテルがぺるみをアカデミーに迎えに行く為にヒヨコの姿になっていたのか。


「うぅ……」


 ぺるみは意識が戻ったのか?

 すごく辛そうだ。

 もしかして先天性のモフモフを触らないといけないあの病気が再発したのか?

 デメテルが天族の姿に戻ってぺるみの神力の流れをみているけど……


「デメテル……オレを抱っこすればぺるみは良くなるか?」


 だったらいくらでも抱っこされるぞ?

 ぺるみの辛そうな姿なんて見たくない……


「あぁ……ベリアル……それは……」


 デメテルが困った顔をしている?

 まさか、かなり状態が悪いのか?

 そんな……


「ぺるみ……オレを抱っこしろ? 好きなだけ抱っこしていいから……」


 ぺるみの頬に触れようと翼を伸ばすとゴンザレスが飛んでくる。


「ベリアル……今はダメ……」

  

 ……?

 ゴンザレス?

 何がダメなんだ?


「ゴンザレス?」


「あの……えっと……」


 ゴンザレスが話しにくそうにしている?

 なんだ?

 オレだけが知らない何かがあるみたいな感じがする?


「どうしてぺるみに触ったらダメなんだ? ゴンザレス……デメテル……」


「「……」」


 二人とも何も話してくれないなんて……

 一体何を隠してるんだよ。

 まさか、ぺるみはかなり酷い状態なのか?

 

「とりあえず、おばあさんの布団に寝かせよう」


 ハデスが、ぺるみをばあちゃんの家に抱えて連れて行ったけど……

 なんでオレにだけ話してくれないんだよ?

 どうしてオレはぺるみを触ったらダメなんだよ?


「ベリアル……」


 じいちゃんがいつの間にか市場から帰ってきている? 

 そうだ。

 じいちゃんは初代の神だからぺるみの病気を治せるかも!


「じいちゃん! ぺるみを治してよ! すごく辛そうなんだよ」


「ベリアル……」


「神力が滞っているみたいなんだ」


「……そうか」


「『そうか』って……じいちゃんはぺるみが心配じゃないのかよ!」


「……ベリアル……真実を……知りたいか?」


「え? じいちゃん?」


 真実って?


「ベリアル……真実を知っても現実から逃げないか?」


「じいちゃん? なんだよ、それ……」


 すごく真剣な顔だ。

 もしかして……

 ぺるみは生きられないくらい状態が悪いのか?

 そんなのはイヤだ!

 ……聞くのが怖いよ。

 それを聞いた後に、その真実ってやつから逃げたくなるほどぺるみは体調が悪いのか?


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