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プリンアラモードは恋が叶う食べ物? (4)

「リリーさん? どうかした?」


 甘い物が大好きなジャックがリリーちゃんに話しかけているね。


「今の話の温泉の近くで一緒に働いてみない?」


「え!? いいの!?」


「うん。ジャックさんはさっきもプリンアラモードを上手に作っていたし。お互いに貧しい男爵家だからジャックさんの苦労はよく分かるの。どうかな? ジャックさんとジャックさんも卒業後の就職先が見つからないって言っていたし。もし、良かったら」


「ああ! ありがとう!」

「助かるよ。実はリリーさん達が領地に行っている間に皆で食堂を始めないかって話になって。今日のアカデミー終わりに露店商市場の相談役に商売の仕方を習いに行く事になったんだ。一緒に行ってみない?」


 この二人もジャックなんだね。

 本当にほぼ全員ジャックだよ。


「うわあぁ! 商売の仕方を習いに? ぜひ一緒に行きたいわ! ね、ジャックさん」

「そうだね。ジャック達も一緒にリリーさんの領地に来てくれたら心強いよ」


 ……リリーちゃんの領地でこんなに都合よく温泉が湧いた?

 天界の誰かが絡んでいそうな気がするね。

 

(あの……ぺるみ様……聞こえますか?)

 

 ゴンザレス……ベリアルに付いて行ってくれてありがとう。

 リリーちゃんの領地で何があったの?


(それが……下位精霊が温泉を作った事になっていますが、実際には火と水の上位精霊が作ったようです。初代の神には許可を得たようですから問題は無いかと……)


 でも、ベリアルは下位精霊が作ったって言っていたけど……


(さすがに上位精霊が作ったと言うと騒ぎになりそうですからね。下位精霊にベリアルの前に現れてもらって自分達が作ったと言わせたようです)


 なるほど。

 ベリアルごと騙したんだね。

 

(ベリアルは嘘がつけませんからね)


 ふふ。

 そうだね。

 リリーちゃんとジャックのご両親はどうだった?


(はい。両家とも子供の結婚を諦めていたようで、それは喜んでいましたよ)


 そう。

 良かったよ。


(ぺるみ様……あの……ベリアルの事ですが……)


 ん?

 ベリアルがどうかしたの?


(少しずつですが遥か昔の事を思い出しているかもしれません)


 え?

 何かあったの?


(上手く言えないのですが……なんとなくそんな時が増えてきているようです)


 ……そう。

 教えてくれてありがとう。

 ベリアルはその時どんな感じだった?


(実際自分にあった事なのかも分からないようで……深くは考えていないようです)


 ベリアルが遥か昔の事を思い出したら、きっと耐えられないよ。

 吉田のおじいちゃん……

 聞こえているよね?

 どうしよう。

 どうしたらベリアルにとって一番良いのかな?

 もう一度記憶操作するの?

 それとも真実を話すのかな?

 でも、ベリアルの心には耐えられそうにないよ。

 

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