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卒業後の進路はどうするの? (3)

「そっか……」


 身の置き所が無い……か。


「もし、受け入れてもらえるならオレも露店商市場に行って色々教えてもらいたいです」


 ジャックは前に進もうとしているんだね。


「市場の人間は……特に相談役は絶対に話を聞いてくれるよ? すごく立派な人間なの。市場で食堂経営の極意を教えてもらえれば心強いね」


「はい! あの、他にも就職先を見つけられない仲間を連れて行ってもいいですか?」


「もちろんだよ」


「オレ……ずっと自分なんかって思っていたけど……」


「……ん?」


「えへへ。嬉しいです! ペリドット様に出会えてから世界がキラキラ輝いて見えるようになりました」


「キラキラ輝く?」


「はい!」


 元騎士のジャックにも同じ事を言われたね。

 キラキラ輝く世界か……

 じゃあ、今までは暗闇にいたって事?

 

 わたしはこの世界に来てから『ルゥ』として魔族の中で幸せに育ってきたって事なんだね。

 何不自由なく穏やかに幸せに暮らしてこられたのはパパとママとじいじだったハデスが命がけで守ってくれていたからなんだ。

 



「じゃあ、片付けも終わったし皆で木陰でピクニックにしようか」


 さすがに昼食がプリンだけとかじゃ、成長期のクラスの皆には良くないからね。


 皆で楽しく話しながら外に出ると魔術科のマリーちゃんとジャックが立っている?

 あれ?

 もしかして、わたしを待っているのかな?


「あの……ペリドット様、えっと……今、大丈夫ですか?」


 マリーちゃんが申し訳なさそうにしているね。


「もちろんだよ。皆に紹介するね? お友達のマリーちゃんとジャックだよ?」


「あの……わたし達みたいな平民を友達だなんて……」


「あはは! 身分なんて関係ないよ。大好きだから友達になったの。あ……もしかして迷惑……だったかな?」


「まさか! すごく嬉しいです!」


「もし、良かったら一緒に外で昼食にしない? 今から行くところなの」


「え? でも……普通科の貴族の皆さんはわたし達みたいな平民とは……」


「あの……オレはジャックです。ペリドット様の友達です。オレは貴族っていっても男爵家で……貴族の中では下の下なんです。だから、平民とかそんなのは気にしないです」


 食堂の店主になりたいジャックは平民相手でも丁寧だね。

 これなら立派な店主になれそうだよ。


「え? そんな、敬語なんて……やめてください」


 マリーちゃんはかなり困っているね。

 平民から見たら公爵家だろうが男爵家だろうが貴族には変わりないからね。


「ふふ。わたしは伯爵家だけれど全く気にしないわ? 一緒に昼食にしましょう? ペリドット様の友人ならわたしにとっても大切な友人だから」


 あぁ……

 伯爵令嬢は本当に良い子だね。


「あぁ……ジャック……いいのかな?」


「でも、今、ペリドット様に聞いて欲しいから……」


 マリーちゃんとジャックは何か困っているのかな?


「とりあえず歩きながら話そうか?」


 まさか……宝石の販売に関わっているベリス王が何かやらかしたとか?

 睡眠時間を無くして無理矢理働かせているとか!?

 ……いや、でもベリス王には人間の労働時間は一日八時間までって決めさせたから、それはないはず。

 

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