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プリンアラモードを大切な相手と食べよう(3)

「じゃあ、ジャックの分を調理実習室から持ってきて二人でわたし達のクラスルームで食べたらどうかな? 今は誰もいないし。わたし達はいつもの木陰でピクニックをしているから。プリンアラモードを食べ終わったらジャックも来てね? さすがに昼食がプリンだけじゃ足りないから。ゆっくりでいいよ?」


「あ……はい。ありがとうございます。でも、それでいいかな? オレと二人なんてイヤじゃない?」


 ジャックはかなり気を使っているね。


「……別に……イヤじゃないわ。だって……最近は頑張って勉強をしているみたいだし。昨日も難しい問題をスラスラ答えていたでしょう?」


「え? あ……うん」


「今までは苦手だからって勉強から逃げていたでしょう? 勉強は誰でもイヤなものよ? でも、将来の為には必要なの。家族を守る為には知識が必要でしょう? ジャックにそれに気づいて欲しかったの。……アカデミーで話しかけないでなんて酷い事を言ってごめんなさい」


「……! うん。オレ……頑張るよ。最近は勉強が楽しいんだ。だから……次のテストで良い点数をとって……立派な夫になれるように頑張るから……」


「……うん。信じているわ?」


 この二人は素敵な関係みたいだね。

 ジャックの婚約者が良い人間で安心したよ。

 

「ジャック……ごめん。アイスクリームが溶けてきちゃったからわたしは行くね?」


 これは、急がないと完全に溶けちゃいそうだよ。


「あ、はい。一人で大丈夫ですか?」


「うん。一年生のクラスルームの場所は分かるから大丈夫だよ? じゃ、婚約者さんと楽しんでね」


 二人の恥ずかしそうな姿に、ニヤニヤしちゃうね。

 さて、わたしも急がないと。

 この階段を下りると一年生のクラスルームが……

 あったね。

 あ、そういえばどの人間がリリーちゃんの弟さんかな?

 ジャックなら知っているかもと思って名前を訊いていなかったよ。

 ……まぁ、聞いたところでジャックだろうけどね。

 どこかに昼食に行っちゃっている可能性もあるし……

 誰かに訊かないと……

 中にいるのは四人か。

 この中にいるのかな?

 とりあえず、一番近くにいる女の子に訊いてみよう。


「あの。このクラスに二年生のリリーちゃんって子の弟さんはいるかな?」


「え? わたし!? わたしに話しかけているんですか!?」


 ……この女の子はかなり驚いているみたいだけど。

 わたしの怖い噂でも聞いているのかな?


「あ、ごめんね。わたしが怖いかな? ドラゴンとか呼んじゃうし怖いよね? でも何もしないから安心してね?」


「……はい。あの……怖くはありません。むしろ話しかけていただけて嬉しいです」


「え? そうなの?」


 確かに嬉しそうな表情だけど。


「あの。オレが弟ですけど……ペリドット様……ですよね。姉ちゃんから話を聞いています。いつも姉ちゃんがお世話になってます」


 この男の子がリリーちゃんの弟さんか。

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