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プリンアラモードを大切な相手と食べよう(2)

「いつもいい子だもん」


 自分で言うのは変かな?

 わたしは変態だし……


「……そうだなぁ。ぺるぺるはいつもいい子だなぁ。心配になるくらいのいい子だ」


 吉田のおじいちゃんが悲しそうな瞳でわたしを見つめているね。


「……? おじいちゃん?」


「最近は変態さんだけどなぁ。(じゃあ誰もいねぇ所で空間移動するからなぁ)クラスの皆、じいちゃんと陛下は外で待ってるヒヨコちゃんとニホンに帰るからなぁ。これからも、ぺるぺると仲良くしてやってくれ」


「突然お邪魔して悪かったね。じゃあ、ぺるみ、楽しんで?」


 パパとおじいちゃんが、ニコニコ笑いながら調理実習室から出て行ったね。


「じゃあ、わたし達もプリンアラモードを渡しに行こうか」


 早くしないと溶けちゃうからね。


「……はい。あぁ……受け取ってもらえるかな?」


 前から二番目の席のジャックはソワソワしているね。

 調理実習室から廊下に出ると人だかりができている……?

 どうしたのかな?

 調理実習室の中を覗いていたみたいだけど。

 わたしとジャックの持っているプリンアラモードを皆が見ているね。


「……? なんだろうね? あ、ジャック、アイスクリームが溶けちゃいそうだよ」


 氷の魔法石が、ついていない上の部分が溶け始めてきたね。


「うわあぁ! 大変だ!」


「とりあえず二年生のクラスからにしよう? その方が近いよね」


「はい!」


 慌ててジャックの婚約者のクラスに行くと……

 あれ?

 昨日の合同講義をしたクラスだったんだね。

 見覚えのある顔がいっぱいいるよ。


「……あれが……プリン……アラモード?」

「すごい……あれはモモよ?」

「あんなに豪華な飾りつけをするなんて……ニホンは豊かな国なのね」

「……食べてみたい」


 おぉ……

 羨ましそうな声が聞こえてきたね。

 どうしてプリンアラモードの名前を知っているんだろう?

 さっき先生がこのクラスの担任のジャック先生に渡した時に教えてあげたのかな?

 ……昨日の侯爵令息はいないみたいだね。

 家族に怒られて謹慎中だったりして。

 モブ顔の令嬢はいるね。

 まさか、婚約者はあの子じゃないよね?


「……あ、いた」

 

 ん?

 ジャックが扉の陰から手招きして女の子を呼んでいるね?


「……! (ジャック! )」


 慌てて女の子が扉の外に出て来たけど……


「ごめん。アカデミーじゃ話しかけないって約束をしたのに……どうしてもプリンアラモードを食べて欲しくて……」


「プリンアラモード……」


 おぉ……

 婚約者の女の子はプリンアラモードに釘付けになっているね。


「渡しに来ただけだから……オレはもう行くから……食べてね!」


「あ、待って……クラスルームでは食べられないわ? 皆が見ているし……」


「あぁ……じゃあ……ごめん。迷惑だったよね。持って帰るよ……」


「あ、違うの……皆も食べたがっているから……って意味で……」


 あれ?

 そんなに悪い子じゃなさそうだね。

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