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調理実習ってワクワクするよね(9)

「ジャックさん……あの……さっき、わたしを幸せにできないかもって言っていたけど……わたしはジャックさんに幸せにしてもらおうなんて思わないから……わたしは……ジャックさんといるだけで幸せだし……一緒に幸せになりたいから。どちらか一人が無理して作った幸せなんて……本当の幸せじゃないと思うから」


 リリーちゃんは若いのに素敵な考え方をするんだね。


「リリーさん……うん。オレは……アカデミーに入って良かった。リリーさんみたいに素敵な人に出会えて本当に幸せだよ」


 ジャックは本当にリリーちゃんが好きみたいだよ。

 見ている方がニヤニヤしちゃうね。


「……わたしも……一生お嫁に行けないかと思っていたのに……ありがとう」


 ……!

 リリーちゃんがジャックの胸におでこをつけて泣いているね。


「リリーさん……泣かないで?」


 ジャックも泣いているよ。


「なんだ? じゃあ、挨拶に行かないとな。結婚するならちゃんと挨拶しないと、後で揉めたら大変だからな」


 ベリアルがわたしを見ながら言っているね。

 わたしとハデスの事を言っているのかな?

 確かに遥か昔は、ハデスに拐われたまま一緒に暮らし始めたけど……


「じゃあ……ちょっと待って? バスケットにプリンアラモードと……あとフルーツとチョコレートを入れて。よし! いっぱい入れたから両家の弟さんの分があるからね? ヒヨコちゃんが良い感じに分けてね? それから、アカデミーにいるリリーちゃんの弟さんにはわたしからプリンを渡しておくからね?」


「そうか。手土産は必要だからな。よし、アイスクリームが溶ける前に両家への挨拶を終わりにするぞ! じいちゃん、ぺるみを頼む。目を離すと変な事ばかりするからな」


 ……!?

 また、わたしを赤ちゃん扱いしたね?

 

「ははは! 分かった分かった。気をつけて行ってこいなぁ」


 吉田のおじいちゃんは相変わらずベリアルに甘いね。


「よし! 出発だ! 皆、目を閉じろ! 眩しくなるぞ」


 空間移動するんだね。

 目を閉じないと……

 ……あれ?

 眩しくならないね?


「あ、ところでジャックとリリーの領地はどこだっけ?」


 ……!

 知らないのに空間移動しようとしていたの?

 くぅぅ!

 天然なの!?

 超絶かわいいよっ!

 

「あ……言ってなかったですよね。えっと……じゃあリリーさんの領地からお願いします」


 ジャックは若いのに気が使えて偉いね。


「よし、リリーの領地はどこだ?」


「あ、それでは地図を持ってきます。小さい領地で名を聞いても分からないはずですから」


「ん? そうなのか? 何て所だ?」


「はい。アリッサムです」


「アリッサム? そうだったのか。リリーが優しいのはアリッサムの人間だからなのか。よし、行こう」


「え? どこにあるかご存知なのですか?」


「ん? 知ってるぞ? 山菜が旨いんだよな」


「え? あ、はい。ですが……なぜそれを?」


「ヨータと世界中を見て回ったんだ。その時、お腹を空かせていたら優しい人間がご飯をくれたんだ。そこがアリッサムだったはずだ」


 ……!?

 そんな事があったの!?

 そういえば、ピーちゃんが来るたびにどこかに出かけていたけど。


「ヨータ……? えっと……昨日の緑の鳥の聖獣様ですか?」


「そうだ。会うたびにいろんな所を旅して旨い物を食べたり名所を見たりしてるんだ。すごく楽しくて、また今度行く約束をしたんだ」


「へぇ……楽しみですね。ぜひまたアリッサムにも来てください。これからはミズがおいしい季節になりますし。あ、川遊びも楽しいですよ?」


「水が旨い季節?」


「ミズという山菜があるんです。おいしいんですよ?」


「へえ。初めて聞く食べ物だ。じゃあまた今度ゆっくり行かせてもらうな。よしじゃあ出発だ!」


 今度こそ出発するんだね。

 ベリアルとピーちゃんとゴンザレスの水遊びか。

 超絶かわいいだろうね……

 こっそり付いていって覗き見しちゃおうかな?

 水着を着たベリアル……

 やっぱりイチゴ柄のビキニ……かな。

 ぐふふ。

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