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吉田のおじいちゃんと天界(3)

「ペルセポネ? 優しいのは良い事よ。でも今回は赦してはダメよ?」


 お母様が困った顔をしているね。

 わたしまで悲しくなっちゃうよ。


「お母様……わたしのせいでこれ以上誰かが自害させられるのは嫌なの。だから、ポセイドンを赦して欲しいの」


 吉田のおじいちゃん、お願い。

 おじいちゃんもお母様達をとめるのを手伝って?

 わたしの心の声が聞こえているんでしょ?


「うーん。そうだなぁ。ポセイドンはどうしてぺるぺるの中に入ってたんだ?」


 良かった。

 おじいちゃんが味方になってくれれば安心だね。


「それは……ゼウスばっかりかわいい娘が産まれて、しかも異世界でおもしろおかしく遊んでいたから仲間に入れて欲しくて。それに、異世界のあの集落はかわいい娘がたくさんいたから……温泉は皆裸で入っていたから、覗き見し放題だったし。でも一人だけ覗き見できない娘がいたんだよな。あぁ……あの時シャシンとやらが楽しそうで、ついペルセポネの身体から出てしまったんだ。シャシンに写らなければ、ばれなかったのに……」


 うわあぁ……

 これはもう助けられないよ?

 お母様達がさらに怒っちゃったよ。

 あれ?

 でも、吉田のおじいちゃんはポセイドンの心が聞こえるんだよね?

 ポセイドンが今の理由でわたしの中に入っていた事は知っていたはず。

 もしかして、集落の温泉を覗き見していた事を怒っていたとか?

 一人だけ覗き見できなかったっていうのは、おばあちゃんっていう事?

 おじいちゃんは若い頃からおばあちゃんの事が好きだったって言っていたみたいだし。

 お母様達にお仕置きさせようとしているの?

 田中のおじいちゃんだったお父様は写真に写っていたポセイドンに気づかなかったのかな?

 実の兄なんだよね?

 あぁ……

 お父様はわたしの事しか見ていなかったのか。

 とにかく溺愛されていたからね。


「ペルセポネ? お母様達はポセイドンに大切なお話があるから、少しどこかに……そうだわ、ヨシダさんと一緒にウリエルの私室に行っているといいわ?」


 お母様……

 笑顔だけど、怒っているのが分かるよ。

 

「そうね。それがいいわ? かわいいペルセポネには見せられないもの」


 ヘスティア?

 火干しより酷い事をするの?


「さぁ、ペルセポネはウリエルの私室の場所は分かるわね?」


 ヘラは笑ってすらいないよ?

 完全に怒っちゃったんだね。


「ぺるぺる、じゃあ、じいちゃんとウリエルの私室に行くか?」


 吉田のおじいちゃん……

 さっきまではポセイドンの事を『かわいい孫』って言っていたけど、あっさり置いて行くんだね。

 どうしよう。

 何か助ける方法はないかな?

 

「ぺるぺる? 今、ハデスちゃんが大変な事になってるからなぁ。急いでウリエルの私室に行くぞ?」


 吉田のおじいちゃんが深刻な顔をしている!?


「ハデスが!?」


 大変な事って何?

 でも、おじいちゃんが言うくらいだからかなり大変な状況のはず。

 急いで行かないと!

 あぁ……

 わたしは空間移動ができないから、走らないと。

 ハデス、待っていてね。

 今すぐ行くよ!

 ごめんね、ポセイドン。

 わたしが帰って来るまで生きていてね?


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