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新婚さんの部屋に勝手に入り込んではいけません

「すごいね……部屋中ピンクで他の色の物がひとつもないよ」


 三日前までは、シックな部屋だったよね?


「メイカイデ、テニハイル、モノデハ、ナサソウナ、モノ、バカリダナ」


 やっぱり、うさちゃんもそう思うよね。

 かなり高そうだし。

 絶対に天界の誰かが絡んでいるよ。


「でも、どうして全部ピンクなのかな?」


「ペルセポネガ、ヨロコブト、オモッタノデハ、ナイカ?」


「うーん。わたしはどちらかと言えば落ち着いた色の方が好きなんだけど」


「……マサカ、ハデスガ、ヤラセタノカ。ダトシタラ、キミガ、ワルイナ」


「ハデスは違うと思うけどな……えっと……とりあえず、寝ようか」


「ソウダナ。ツカレタ……」


「久々にうさぎちゃんの姿になったからね。わたしはハデスが来たらベットに入るから、うさちゃんは先に寝ていようか?」


「……ハデス、ヨリ、サキニ、ベットニ、ハイッタラ、メンドウダカラナ。トリアエズ、ソファーデ、ネムロウ」

 

「ふふ。うさちゃんは気が使えて偉いね」


「……ヤワラカイ、ソファーダ。ペルセポネモ、スワッテミロ」


「うん! これは……最高級の物だよ!? すごいよ」


「……」


「あれ?」


 ふふ。

 うさちゃんはもう寝ちゃったね。

 疲れていたんだね。


 それにしても、たった三日でこんなにピンクの物を揃えるなんてすごいね。

 誰が持ってきたんだろう?

 

「なんだ……この部屋は……」


 あ、ハデスが部屋に入ってきたけど……

 明らかに嫌そうな顔でソファーに座ったね。


「やっぱり、ハデスがやらせたんじゃないんだね。ケルベロスがやったのかな? あのかわいい肉球の『あんよ』じゃあ、難しそうだけど……」


「あぁ……そういう事か……」


「そういう事?」


「ヘラだな」


「ヘラ? ヘラがやったの?」


 確かにヘラなら怪力だから一人でもこのピンクの家具を運べそうだよね。


「今朝、天界で……その……あれだ……ペルセポネに子が授かるようにと……それには雰囲気が大切だと……それでピンク一色にしたのかもしれないな」


「え? でも、冥界に入るには何日か前から申請しないといけないんだよね?」


「いつでも来られるようにとヘラもヘスティアもデメテルも毎日入門申請書を提出するようだ」


「え? そうなの? じゃあ、さっきケルベロスが言っていた『あのお方』って、お母様達の事かな?」


「あぁ……いや、違う。それはまた違う者だ」


「違う人?」


「あぁ……まだ来ないようだからな。今日はもう来ないのだろう」


「今日はもう遅いからその人も来られなくなったのかもね」


「……とりあえず……やすむ……か。カーバンクルはもう寝たのだな」


「うん。疲れていたみたいだね」


「そうか……では……その……ペルセポネ……子を……その……赤ん坊を……」


「赤ちゃん!? うん! ついにわたしとハデスにも赤ちゃんが来てくれるんだね!」


「……あぁ……その……そうだな……では……ベットに行くか……」


「ん? うさちゃんはこのままソファーで眠るの?」


 起きた時にソファーだったら怒るんじゃないかな?


「そうだ……では……とりあえず……その……あれだ……ペルセポネはベットに横に……」


「横になるんか?」


 ……?

 ん?

 今、誰が話したのかな?

 ベットの方から声が聞こえたよ?

 って……

 ええ!?

 吉田のおじいちゃん!?

 いつの間に部屋に入ってきたの!?

 ちゃっかりベットの中に潜り込んでいるし、すごくニヤニヤしているよ。


「そうだ……横に……ん?」


 ハデスも気づいたみたいだね。

 青ざめた顔をしているよ。


「てへっ! 来ちゃったっ!」


 吉田のおじいちゃん……

 さっきまで第三地区でずっと一緒にいたよね?

 何か話でもあるのかな?


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