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うさちゃんとハデスは本当に仲が悪かったんだね

 市場での夕食を終えると、ドラゴンの島から帰ってきたハデスとうさちゃんと冥界の門の前に空間移動してくる。

 

「うさちゃんは冥界に来るのは久しぶりだね」


「……ソウダナ」


 うさちゃんは眠そうだね。

 久しぶりにうさぎちゃんの姿になったから疲れちゃったのかな?


「ああ! ペルセポネ様だ!」

「ペルセポネ様!」

「三日に一度しか会えないなんて辛すぎます!」


 ケルベロスの三つの頭が騒ぎ始めたね。


「今日は薬を作ってくれてありがとう。すごく助かったよ」


 レオンハルトのお兄さんは薬じゃ治らないくらい酷い状況なんだよね。

 

「ペルセポネ様に喜んでもらえるなんて……あぁ……最高に幸せだ」

「あれ? その腕にいる白い……?」

「まさか……うさちゃんですか!?」


「うん。吉田のおじいちゃんと一緒に連れてきたの」


「そうでしたか。あぁ……まるであの頃に戻ったかのようです」

「そうだなぁ。全てあの頃のままだ……」

「だが……」


 ケルベロスがハデスをチラッと見たね。

 ケルベロス達もうさちゃんとハデスが仲が悪い事を知っていたんだね。


「わたし、全然気づかなかったよ。ハデスとうさちゃんはあまり仲が良くないんだね」


「あ……ついに気づかれましたか」

「お二方ともペルセポネ様を大切に想われているので……多少は仕方ないかとは思うのですが……」

「かわいい小競り合いみたいなものだから……はは……ははは……」


 この様子だと、かなりやり合っていたみたいだね。


「……そんなに酷かったの?」


「あぁ……うさちゃんは……なぜか闇の力を使えまして……」

「冥王様と互角に戦えるからな……」

「一度、本気でやり合って大変な事になってからは……お互い気をつけるようになりまして……耳を縛ったり、悪口を言ったりと幼稚な……いえ……その……」


 なるほどね。


「ケルベロスも大変だったね。……大変な事になったって……何があったの?」


「それは……」

「聞かない方が……」

「あのお二方がやらかす事は……とんでもない事ですからね」


 よほどの事があったんだね。


「……うん。聞かないでおくよ……」


「あぁ……もう前のようにやり合わなければいいが……」

「とても、とめられないからな」

「はぁ……思い出しただけでも恐ろしい」


 そんなに怖い事があったんだね。


「あ、そういえば前から気になっていたんだけど……冥界の門ってケルベロスの許可がないと入れないんだよね? ケルベロスが門の前にいない時はどうやって中に入ればいいの?」


「え? 冥王様とペルセポネ様とうさちゃんは門に認められているのでわたしがいなくても入れますよ?」

「ただ、空間移動で冥界に来てもなぜか門の前にしか来られないのです」

「だから、どんなに強い天族でもこの門を通らないと入れないんだ」


「へぇ……確か、前もって何日か前に申請しないと神様であるお父様でも入れないんだよね?」


「はい。冥界は亡き者が来る特別な場所ですから。生者は簡単には入れないんです」

「でも、門に認められればいつでも出入りできますよ?」

「門の前には人間と魔族の世界に繋がる穴があるから気をつけてくれ」


「穴? ケルベロスがジャンプして連れてきてくれた、あの見えない穴?」


「はい。あれは遥か昔、まだハデス様が冥王様になる前からある物なんです」

「あの頃は冥界は牢獄のような所でしたから……天族を『人間と魔族の世界』に追放する時に使っていた穴なのです」

「目には見えない穴だからな。たまに落ちる奴もいるんだ」


 ……うさちゃんもそれで落ちちゃったんだね。


「ささ、中に入りましょう。お疲れでしょう。冥王城でゆっくりおやすみください」

「冥王様……あのお方からの入門申請日が本日なのですが……」

「まだ来ていないからな。これから来るんだろうか? 冥王様……あぁ……あのお方は手がかかるから……」


「そうだな。先程まで共にいたからな、来るとすればこれからか……」


 ん?

 ケルベロスがハデスと話をしているけど。

 あのお方?

 ハデスが明らかに嫌そうな顔をしたね。

 誰が来るんだろう?

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