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吉田のおじいちゃんと天界(1)

「それにしても、ポセイドンはどうしてグンマにいたのかしら?」


 お母様が真剣に考えている。


「あの写真ね? プリントして皆で初めて見た時にオバケが写っているって騒ぎになったの」


「プリン? オバケ?」


「うん。えっと、紙の形にする事がプリントで、オバケは……亡くなった人の霊? うーん、難しいな」


「皆の楽しい絵にいきなりあんな筋肉魚がいたら驚くわよね」


 ヘラ……

 筋肉魚ってポセイドンの事かな?


「筋肉魚? もしかして人魚みたいに下半身が魚なのかな?」


「あぁ……違うわ? 足はあるわよ? なんかね……生臭いのよ」


 生臭い?

 だから魚?


「え? もしかして生乾き臭みたいなやつ? ずっと海にいて濡れているの?」


「ぷはっ! ぺるぺるはおもしれぇ事を言うんだなぁ」


 この声は……


「吉田のおじいちゃん!?」


「そうだぞ? じいちゃんだ」


 天族の姿だね。

 若くてかっこいいよ。

 白い長い髪に金の瞳、真っ白い翼。

 初代の神様か……

 確かに神々しいね。


 ん?

 照れている?

 わたしの心の声が聞こえているんだね。


「ヨシダさん……と呼び続けていいのかしら? それとも……」


 お母様が給仕を部屋から下がらせる。


「じいちゃんでも吉田さんでもどっちでもいいぞ?」


「では、ヨシダさん。どうしてグンマにいたのかしら? ルミを守る為だったの?」


「うーん。そうだなぁ。……じいちゃん、わかんなーい」


 うわ。

 天族の姿でも言っている事は同じだね。

 何か都合の悪い事でもあるのかな?


「分からないって……はっ! まさか何かの潜入捜査的な事をしていたとか!? ほら、初代の神だし!」


 ん?

 ヘラは天然なのかな?

 なんだかママに似ているね。


「ぷはっ! ヘラはかわいいなぁ。そうか、そうか。潜入捜査か。あははは」


 やっぱり群馬にいた理由は教えてくれないんだね。


「おじいちゃんに頼まれていた封筒をウリエルに渡しておいたよ?」


「そうか、そうか。ありがとなぁ」


「でも、どうして月海るみの写真を渡したの?」


「そうだなぁ。なかなか好みの幼女が見つからないらしくてなぁ。月海ならかわいいから気に入ると思ってなぁ」


 好みの幼女!?

 聞きたくなかったよ。


「んん? 天ちゃんとハデスちゃんは、いねぇんか?」


「え? ゼウスならそこのテーブルで仕事を……っていない!? どこに行ったの!?」


「お母様……お父様ならさっきこっそり執務室から抜け出していたよ。たぶん、ウリエルの私室だね」


 すぐに連れ戻されるのに……

 よほど行きたかったんだね。


「そうか、そうか。こっそり見に行ってみるか。と、その前に……ポセイドン、出てきたらどうだ? 一緒に幼女好きの変態を眺めに行かねぇか?」


 え?

 ポセイドン?

 どこかにいるの?

 執務室に隠れているとか?

 吉田のおじいちゃんは心が聞こえるから隠れていても分かるんだね。


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