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うさちゃんを怒らせたらいけないって事だね

「うわあぁぁい! ばあちゃんとじいちゃんと市場に来られるなんて嬉しいなぁ」


 ベリアルはすっかりご機嫌になったね。

 さっき、うさちゃんが下唇? を噛みながら謝ったからね。

 かなり嫌そうだったよね。

『サキホドハ……スマナカッタ……(クソガ……)』

 って言っていたけど……

 まぁ、謝っただけでも偉いよね。

 

「えへへ。ゴンザレス! クッキー食べよう。うさちゃんも食べるかな?」


「……」


 うさちゃんはベリアルとはもう口をきくつもりがないらしいね。

 話せば悪口になっちゃうから黙っているのかな。

 わたしの腕の中でウトウトし始めたね。


(ぺるみ様……大変そうですね)


 ゴンザレス……

 うさちゃんには、この会話が聞こえていないんだよね?


(そのようですよ?)


 うさちゃんの心の声は聞こえてくる?


(はい。ベリアルの事が心底嫌いなようですね。遥か昔に大好きなぺるみ様の心を踏みにじったからでしょうか?)


 踏みにじった?


(嫌な事があると心の底に逃げて全てぺるみ様の心に押しつけていたようですよ?)


 それで、うさちゃんは怒っていたんだね。

 

(うさちゃんは、ハデス様には心を許していますが、ベリアルの事は顔も見たくないようですね)


 ハデスには心を許している?

 あれで?


(はい。あれでです。先が思いやられますね)


 ……不安しかないよ。


(まぁ、ハデス様にも攻撃だけはするなと言われていましたし大丈夫でしょう)


 攻撃だけはするな?

 確かに言っていたね。


(うさちゃんは、遥か昔のぺるみ様とベリアルの闇の力の『かけら』です。『かけら』でもかなりの闇の力を持っています。違う身体に憑依したぺるみ様とベリアルには闇の力はありませんが……うさちゃんの闇の力は危険です)


 こんなにかわいいのに……


(初代の神がうさちゃんを海の底に居させ続けたのは、もしかしたらぺるみ様のお心が落ち着くのを待っていたのかもしれませんね)


 わたしの心?

 それって?


(不安定な心のぺるみ様を見て、うさちゃんが暴走したら初代の神は、うさちゃんを消すしかなくなってしまいますからね)

 

 なるほど……

 確かにそうだね。


(うさちゃんを連れてきたという事は、初代の神はぺるみ様のお心が落ち着いたと安心したんでしょうね)


 ……そうだね。

 少し前まではかなり不安定だったからね。


「ゴンザレスゥ! 何のクッキーがいい?」


(あ、ベリアルが呼んでいますね。では)


 ベリアルとゴンザレスは仲良しだね。

 うさちゃんは……眠っちゃったみたいだね。

 ふふ。

 懐かしいな。

 天界では、ずっとこうやってうさちゃんを抱っこしていたよね。


「ペリドット様……」


 あれ?

 元爆弾犯のジャックだね。


「ジャック……市場ではあまり話しかけない方が……」


「はい。ですが……どうしてもお礼を言いたくて」


「お父さんはどう? 昨日は無理をしなかったかな?」


「起きていられるのが嬉しかったようで……今日は疲れていたようだから家で留守番です」


「ふふ。元気そうで良かったよ。確か、お兄様が救護の人間をお手伝いにって言ってくれたんだよね?」


「はい。平民出身の騎士団の救護員だから気を使わなくていいだろうと。これからは任務中の怪我にはきちんと対応すると……本当に陛下は名君です」


「そう……良かった。じゃあ、お父さんは家で一人で困る事は無いんだね」


 安心したよ。

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