おばあちゃんに月海って呼ばれると嬉しいよ
「ぺるみ、大丈夫か? ルゥだったぺるみには辛いだろうけどなぁ。でも、ちゃんと良い方向に進もうなぁ。それがルゥの身体を使わせてもらったぺるみの役目だぞ? 分かるな?」
おばあちゃんの言う通りだね。
「うん。わたしはもうルゥの身体じゃなくなったけど……ルゥだったの。今でもわたしの中にルゥがいるんだよ。わたしは……月海でルゥでペルセポネなんだよね。おばあさんにちゃんと伝えるよ。そうしないとダメだよね? おばあちゃん、ありがとう。いつもわたしの背中を押してくれて……」
「月海……」
「えへへ。久しぶりに月海って呼ばれた気がするよ」
「月海は、ばあちゃんの世界一の孫だからな? ……不思議だなぁ。群馬にいた頃は、ばあちゃんと月海の二人だけだったのに、今じゃ、星治も一緒にいるんだからなぁ」
「そうだね。第三地区の皆も、天界の家族も、ルゥの家族も、魔族の皆もいてくれて……すごく賑やかになったね。あ、でも群馬でも毎日田中のおじいちゃんと吉田のおじいちゃんが遊びにきてくれていたから賑やかだったかな?」
「そうだなぁ。……月海、一人で背負い込むなよ? 世界の補正力は一人で解決できる問題じゃねぇからなぁ。色々ありすぎて頭の中がぐちゃぐちゃなんじゃねぇか? ゆっくりひとつずつ解決しようなぁ……ばあちゃんにも手伝わせてくれ。今度は……一人で抱え込ませねぇからな。群馬でのばあちゃんは月海に迷惑ばっかりかけてたからなぁ。今度こそばあちゃんとしてかわいい孫を守らせてくれ」
「おばあちゃん……」
そんな風に思ってくれていたなんて……
「ペルセポネ、カエッテイタノカ」
うさちゃんがわたしの腕に飛び込んできたね。
「うん。うさちゃんは寝ていたのかな?」
「アノ、バスケットハ、フカフカノ、シキモノガ、アッテ、キモチ、ヨカッタナ」
「ふふ。良く眠れたみたいだね」
「ナイタノカ?」
「え? あ……えへへ。嬉し泣きだよ」
「ウレシイト、ナクノカ?」
「うん。そうだよ?」
「ソウカ。テンカイニ、イタトキハ、クスリト、ファルズフ、カラノ、ヒドイ、コトバデ、ナイテ、イタカラナ。イマハ、シアワセト、イウコトカ」
「……そうだったね。ファルズフの薬は飲むと内臓が焼けるように痛かったの。でも、もっと辛かったのはお父様の悪口を聞かされる事だったの」
「ソウカ」
「今はね? あの頃よりも、もっとお父様を好きになったんだよ? ダメなところもいっぱい知ったけど、良いところをそれ以上に知れたの」
「ペルセポネ……ツヨク、ナッタナ。マイニチ、ナイテイタ、アノコロトハ、ベツジンノ、ヨウダ」
「えへへ。自分でも強くなったと思うの。泣いているだけじゃ前には進めないからね。壁にぶつかって前に進めなくなったら、その壁を壊して進めばいいってハデスが教えてくれたの。それと……わたしは一人じゃないって教えてくれたのもハデスなんだよ?」
だから仲良くしてもらえたら嬉しいんだけど……