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嫌な予感が現実になりそうだよ

 ……ピーちゃんが一切話さなくなったね。

 脱け殻みたいになっているよ。

 高崎の儀式の事を皆に知られていた事がショックだったんだね。

 

「ヨータ! 来てたのか? ん? どうしたんだ?」


 ベリアル……

 今はそっとしておいてあげて。


「あ、そうだ。今日はピーちゃんは半日こっちにいられるらしいの。健康診断に動物病院に来ている事になっているんだって。だから、ベリアルはピーちゃんと過ごしたらどうかな? ずっと会いたがっていたでしょ?」


「え? いいのか? やったぁ! あ、でもアカデミーの護衛はどうするんだ?」


「うーん。護衛かぁ……ゴンザレスがいてくれるけど……」


「ゴンザレスは空間移動できないだろう? 登下校する時に誰が空間移動した事にするんだよ」


「あぁ……そうなんだよね。自分でもできるけどそれは秘密だからね。困ったな」


「じゃあ、天ちゃん、ヒヨコの姿を創ってくれ。それにオレが入ってアカデミーに付いて行こう。ぺるみが空間移動したのをオレがした事にすりゃいいんだろ?」


 え?

 おばあちゃんが!?

 ぼーっとしていたら確実に雷を落とされるよ!

 できれば違う誰かがいいよ。

 ずっと緊張し続ける事になっちゃう。


「ええ? いいなぁ。アカデミーにヒヨコの姿で行くならお父様も行きたいよぉ」


 お父様はお父様で付いて来られたら問題を起こしそうでイヤだな。


「もう! ゼウスはダメよ。仕事が溜まっているんだから! ほら、早くヒヨコの姿を創って? 帰って仕事の続きよ?」


 お母様……

 ありがとう、助かったよ。


「うわあぁん! 息抜きしないと耐えられないよぉ!」


「え、あぁ……まぁそうね。確かに最近のゼウスは頑張っていたわよね」


「あのね? あのね? 群馬に一週間くらいパアッと遊びに行きたいんだけどね? どうかな? もちろん、ヘスティアちゃんとデメテルちゃんとヘラちゃんも一緒に! あ、そうだ。はい、ヘスティアちゃんとデメテルちゃんにお花をあげるね? さっき、ヘラちゃんにもあげたんだよ?」


 ……嫌な予感がするよ。

 

「お花? あぁ……キレイね。ゼウスが包んだのかしら。ふふ。ありがとう。嬉しいわ? でも、ちょっと……そんなには無理よ? 行っても一泊くらいが限界よ? 今は忙しい時期だから」


「あのね? ペルセポネが代わりをしてくれれば行けるよね? 行けるよね?」


 うわあぁ!

 また始まったよ。

 無理だよ。

 絶対無理!


「え? ちょっと……そんな……ペルセポネがかわいそうよ? 次期神でもないのに辛い仕事はさせられないわ?」


 あぁ……

 お母様は本当に優しいよ。


「うぅ……デメテルちゃんとヘスティアちゃんとヘラちゃんと一緒に温泉に入りたいよぉ。おいしいごはんを食べながら遊びたいよぉ」


 お父様が泣き出した!?

 お母様はお父様の涙に弱いんだよね。


「あぁ……困ったわね」


 やっぱり、お母様が悲しそうな顔をしているよ。


「ペルセポネ……ゼウスはこうなると仕事をしなくなってしまうの。もし、イヤでなければアカデミーが終わった夕方から翌日の朝まで代わりに仕事を引き受けてもらえないかしら。もちろん、アカデミーの休日の前日に……夕方までにほぼ仕事は終えておくから」


 ヘスティアがわたしに頼み事をするなんて珍しいね。

 

「でも……神様って何をすればいいの?」


 難しい事は分からないよ。

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