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マンドラゴラの正体は……

「あ、ペルセポネ! ゼウスを見なかった!?」


 え?

 ヘラ?

 かなり怒っているね。

 またお父様が何かしでかしたんだね。


「今朝はまだ見ていないよ?」


 ん?

 今、マンドラゴラがピクッてしたね。

 このマンドラゴラ……お父様だね。


「もう! 仕方ないんだから! もし来たら急いで天界に戻るように言ってね?」


「えっと……今度は何をやらかしたの?」


「ウリエルにいやらしい人形を作らせていたのよ! 赦せないわ!」


「また、そんな物を作らせていたんだね」


「あ、でもハデスはペルセポネの人形を作らせていたみたいよ?」


「え? わたしの?」


「ふふ。ペルセポネは愛されているのね」


「えへへ」


「人形ができあがったから渡すように言われたの。あら? ハデスは?」


「まだ天界で寝ているはずだよ?」


「あら。ふふふ。そうなのね。ペルセポネは眠くないの? 新婚さんがアカデミーに通うのは大変よね」


「ん? わたしは、昨日は一晩中うさちゃんとお話をしていたの。ハデスはすぐに寝ちゃったよ?」


「え? すぐにって……新婚なのに、これは問題ね。とりあえず、この人形をハデスに渡しながら今後の子作りの事を……じゃあ、わたしはゼウスを捜してくるわ。ふふふ。見つけたらただじゃおかないんだから!」


 あぁ……

 ヘラはかなり怒っていたね。

 マンドラゴラがブルブル震えているよ。


「お父様……マンドラゴラの姿で土に埋まっていたら助かると思ったの?」


「ペルセポネェ……やっぱり分かっていたのに黙っていてくれたんだねっ! 大好きだよっ!」


「もう……ヘラを怒らせたらダメでしょ? また火干しにされちゃうよ?」


「だって、だってぇ……欲しかったんだもんっ!」


「そういう時はヘラのフィギュアを作ってもらうんだよ? そうすればケンカにならないでしょ?」


「だって、だってぇ……欲しかったんだもんっ!」


 これは何を言ってもダメだね。


「お父様はこのままどこかに隠れるの?」


「うん。まだヘラちゃんが怒っているからね。とりあえず、マンドラゴラの姿で土に埋まって隠れるよ」


「神様が土に埋まって隠れるなんて……」


「えへへ。結構楽しいんだよ?」


「……そうなんだね」


「お雪ちゃんも黙っていてね? ヘラちゃんてば、怖いんだもん」


 雪あん姉にまで口止めするんだね。

 これが神様か……


「天ちゃんは仕方ねぇなぁ。今日はこの巨大桃が来たからな。この辺りには巨大桃から桃を出しに大勢が来るはずだから隠れるなら違う場所がいいぞ? 草と間違えて踏まれちまうからな」


「お雪ちゃんも優しいねっ! ありがとっ! うーん。どこに隠れようかな? あ、そうだ! ペルセポネとアカデミーに行っちゃおうかな?」


「え? アカデミーに?」


 嫌な予感しかしないよ。


「父親参観かぁ。懐かしいなぁ。群馬にいた頃はよく父親参観に晴太郎はれたろうと行っていたよねっ!」


「あぁ……先生に毎回追い出されていたよね」


「あれ? そうだっけ?」


「先生に彼氏はいるのかとか訊いてかなり怒られていたのを忘れちゃったの?」


「んん? そうだっけ?」


 神様なんだよね?

 天界の未来が不安になってきたよ。

 あぁ……

 だからお母様が付きっきりで面倒を見ているんだね。

 お母様も大変だよ。


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