久々の再会……?
「さて、これ以上モモを食べるとお腹がいっぱいになっちゃうからな。ぺるみが作ったイチゴジャムクッキーが食べられなくなっちゃうよ」
ふふ。
ベリアルはイチゴジャムクッキーの分のお腹を空けておいてくれているんだ。
激かわだよ!
「わたしはもう少し雪あん姉と畑仕事をしていくから先にクッキーを食べててね?」
「うん! 分かった! えへへ。早く食べたいなぁ。ジャムがついているところが、しっとりしてるのが旨いんだよな」
「ふふ。そうなんだよね。ジャムが、パンに塗った時とは違う食感なのもおいしいんだよね」
「そうなんだ! 時間が経つとちょっとグニュってするところが旨いんだよ」
「桃が食べ放題になったから、今度は桃のタルトを作ろうか。あの桃をたっぷり乗せたらすごくおいしいだろうね」
「うわあぁ! 最高だな。楽しみにしてるからな? 約束だぞ?」
「ふふ。うん。ゴンザレス達の分も作るからね?」
(ありがとうございます! タルト? 初めてですが楽しみです)
ゴンザレスはあまり話さないようにするんだったね。
(はい。余計な事を話さないようにする為です。久々に他種族と話すので嬉しすぎて興奮してしまって)
そうだね。
ゲイザー族が心を聞く事ができる種族だって事は秘密にしないといけないからね。
あ……
ゲイザー族は皆ハリセンボンの姿に見えるようにしてもらったんだよね?
空に浮かぶ五匹のハリセンボン……
激かわだよ!
他のゲイザー族の皆はもう魔王城に行くの?
ベリアルのベットで一緒に寝たんだよね?
(いえ、今から第三地区で掃除をしますよ? 草むしりとか、高い所をキレイにしようかなと。我らゲイザー族は飛べますから)
そっか。
安心して暮らせそうかな?
(はい! 皆さん良い方ばかりで楽しく過ごせそうです)
良かったよ。
ゲイザー族の皆もクッキーを食べてね?
(はい。お心遣いありがとうございます)
「よし! じゃあ、広場まで競争だ!」
ふふ。
ベリアルは桃の食べ過ぎでお腹がパンパンだから飛ぶのが大変そうだね。
ゴンザレス達もベリアルに合わせてゆっくり飛んでくれているよ。
仲の良い兄弟みたいでかわいいな。
「さて、わたしも畑仕事を頑張るよ!」
「ははは! そうか。じゃあ、草むしりを頼む」
雪あん姉は草むしりをする姿もかっこいいよ!
すごい勢いで草を抜いていくね。
「うん! 根っこから抜かないとだよね。いっぱい抜いたらムキムキになれるかな?」
「ははは! ぺるみなら絶対になれるぞ!」
「うん! よし、頑張るよ!」
土が柔らかいからすぐに抜けるね。
ん?
この草は他の雑草よりも太いね。
「ん! なかなかしっかり根を張っているね! くっ! わたしの全力でも抜けないなんて!」
「ははは! ぺるみの腕は細いからな! どれ、オレが抜いてやるぞ!」
おお!
雪あん姉の腕がムキってなったよ!
かっこいいっ!
「ふんぬっ! なんだ!? この草、おかしいぞ!?」
「え? おかしいって?」
「手と足で土から掘り出されないように踏ん張っているぞ!?」
「え? それって、もしかしてマンドラゴラ!?」
「そういや、まだぺるみがルゥだった頃に晴太郎達が小さい大根みたいになってたな」
「……まだあのマンドラゴラの身体が第三地区にいたなんて。でも、誰がマンドラゴラの身体に入っているんだろう」
「魂がねぇと動けねぇはずだ。第三地区の誰かのはずだが……ふんぬっ! 抜けた!」
「おお! さすが雪あん姉だよ! やっぱりマンドラゴラだね。えっと……あなたは誰かな?」
「……」
あれ?
返事をしてくれないね。
「第三地区の誰かだよね?」
「……」
やっぱり返事をしてくれないね。
うーん。
誰なんだろう?