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巨体な卵の中身はなんだろう?

「おじいちゃん、もう謝らないで欲しいよ。おじいちゃんは今までもこれからも、ずっとずっとわたしの大切なおじいちゃんなんだから。だから……おじいちゃんにはいつも通りにして欲しいよ」


 だから、そんな顔をしないで。


「ぺるぺる……そうか、そうか。気を遣わせちまってすまねぇなぁ」


「ほら、また謝ってる……」


「あぁ……本当だなぁ」


「あ、おばあちゃんが戻ってきたね……ん? ずいぶん大きい卵だね」


 持って行ったボウルには入らなくて、転がして持ってきているよ。

 わたしの身長よりもかなり大きいね。


「ぺるみ、ほれ、この卵ならだし巻き卵が山ほど作れるぞ。ははは!」


 おばあちゃんはご機嫌だね。


「すごく大きい卵だね。なんの卵なんだろう?」


「初めて見る卵だなぁ。いつも卵を持ってきてくれる時は魚族が待っててくれるんだけどなぁ。今は誰もいなかったから、なんの卵かは分かんねぇなぁ」


 おばあちゃんも見た事が無い卵なんだね。


「……前にもこんな事があったよね。確か、おばあちゃん達がマンドラゴラだった時、お母様が家出してきて……」


「ははは! そうだったなぁ。卵を割ったら中に白いヒヨコの姿のデメテルが入ってたんだったなぁ」


「そうそう。さすがに天族が入っているなんて事はもう無いよね。あはは」


「このデカイ卵なら巨大なヒヨコちゃんになっちまうからなぁ。ははは!」


 ん?

 吉田のおじいちゃんが、さっきから険しい顔で卵を見ているね。

 まさか、中に何か良くないものが入っているとか?


「吉田のおじいちゃん……さっきからずっと黙っているけど、この卵は危なかったりするの?」


「んん? いや……このデカさならドラゴンでも入ってそうだと思ってなぁ」


「え? ドラゴン?」


「いや……実際ドラゴンの卵じゃねぇけどなぁ……なんで、こんなもんが流れ着いたんだ? (あぁ……そういう事か。やれやれ)」


「おじいちゃんはこれが何の卵か知ってるの?」


「……そうだなぁ。まぁ、悪いもんじゃねぇからなぁ。お月ちゃん、この卵の中はもう『形』になっちまってるから、卵としては使えなさそうだなぁ」


「そうなんか? じゃあ、かわいそうだから温めといてやるか。確か弱めのカイロみてぇな魔法石があったよなぁ。どこだったか……」


 おばあちゃんが魔法石を探しに行ったね。


「おじいちゃん、この卵、本当に平気なの?」


「んん? 平気だ。……『どっかで生まれた卵』が海に流されてきたんだろう。いや、目的地はここなんだけどなぁ……もう少しで孵りそうだから第三地区に置いてやるか」


「目的地が第三地区? えっと……魔族の卵なのかな?」


「んん? うーん。卵から孵るのは魔族だけじゃねぇぞ? この世界は前いた世界とは違うからなぁ。思いもしねぇもんが生まれてくるかもなぁ。全く、困ったもんだ」


「困ったもんだ? 思いもしないもの? まさか、また天族とか?」


「天族じゃねぇなあ。もちろん人間でも魔族でもねぇなぁ」


「え? じゃあ……何が生まれてくるの?」


「それは……生まれてきてからのお楽しみだなぁ。悪いもんじゃねぇから安心して待とうなぁ」


「……? うん……」


 何の卵かは教えてくれないんだね。

 危なくない、魔族でも人間でも天族でもないもの?

 うーん。

 一体何が生まれてくるんだろう?

デメテルが天界から家出してきた時のお話は

『異世界で、人魚姫とか魔王の娘とか呼ばれていますが、わたしは魔族の家族が大好きなのでこれからも家族とプリンを食べて暮らします。~ルゥと幸せの島~』174話175話『ルゥと卵~前後編~』から書かれています。

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