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イチゴジャムのクッキーを作ろう

「ふわぁぁぁ……おばあちゃん、おはよ……」


 ハデスはまだ寝ていたから、うさちゃんと先に第三地区に来ちゃったよ。


「お? ぺるみは寝不足か? ……これは、ひ孫と会える日も近そうだなぁ」


 ん?

 ひ孫?


「おばあちゃん、うさちゃんが見つかったの。かわいいでしょ?」


 抱っこされてご機嫌でウトウトしているね。

 天界で暮らしていた時もずっとこんな感じだったよ。


「うさちゃんが見つかったんか? そうか、良かったなぁ。真っ白でかわいいなぁ」


「うん。一晩中、今までの事を話していたら朝になっていたの」


「……ハデスちゃんもか?」


 おばあちゃんもいつの間にか『ハデスちゃん』って呼んでいたんだね。


「ハデスはベットに入ったら一分もしないで寝ていたよ? 疲れているんだね」


「一分って……まだまだひ孫は無理か」


「ひ孫?」


「うさちゃんは人間の物を飲み食いできるんか?」


「ベツニ、タベナクテモ、イキラレルガ……」


「そうか、そうか。低くてなかなか良い声だなぁ。イヤでなけりゃ、後で一緒に朝ご飯にしようなぁ」


「ペルセポネノ『グンマ』トヤラノ、オバアサンカ。ナカナカ、ヨイニンゲンダ」


「あはは! 良い人間か! そうか、そうか。これからよろしくな」


「コチラコソ、ヨロシク、タノム」


「うさちゃんは、見るからに賢そうだなぁ」


 確かに、お菓子大好きなベリアルの『ピヨピヨピヨたん』と比べると、かなり賢そうに見えるよね。

 実際は、ベリアルもかなり賢いけどね。


「ソウカ。カシコソウカ……ペルセポネハ、クッキーヲ、ツクルン、ダッタナ」


「あ、うん。昨日ベリアルとゴンザレスと約束したの。うさちゃんは少し眠った方が良さそうだね。眠そうな顔だよ?」


「サクヤハ、ペルセポネト、ハナセテ、タノシカッタカラ……ペルセポネハ、ネムク、ナイカ?」


「わたしは大丈夫だよ? 興奮しているのかな? 全然眠くないの」


「コウフン?」


「最近色々あり過ぎて頭がずっとクルクル回っているって言うか……」


「……ナニモ、カンガエナイ、ジカンガ、ヒツヨウダ」


「心配してくれてありがとう。クッキー作りに集中してみるよ」


「ソレガイイ」


「じゃあ、うさちゃんはベリアルのお昼寝用バスケットで寝ていてね?」


「ソウシヨウ」


 おぉ……

 うさちゃんはベリアルより細いからバスケットに余裕があるね。

 ベリアルは真ん丸のヒヨコちゃんだから、みっちりしちゃうからね。

 ぐふふ。

 それがまた、かわいいんだけどね。


「さて、じゃあイチゴジャムのクッキーをいっぱい作ろう! パパがパンを焼きに来る前に終わらせないとね」


 パパは第三地区が幸せの島の隣にあるって知ってからは、第三地区のキッチンを使っているんだよね。

 外のキッチンだから開放的で気持ちいいし、第三地区の皆と話すのが楽しいらしいんだ。


 よし、じゃあ昨日の夜に砂糖をかけておいたイチゴを弱火で煮ながら、クッキーの生地作りだね。

 イチゴの甘い匂いがしてきたね。

 ベリアルが匂いにつられて起きてくるかも。

 クッキーは下の段はくり抜かないで、上の段だけくり抜いて焼くんだよね。

 型で抜くとはみ出た生地が余るんだ。

 そうだ!

 ベリアルとゴンザレスとうさちゃんを作ろう。

 あと、嫉妬しちゃうからハデスの顔もね。

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