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うさちゃんが語った真実(1)

「わたしがペルセポネの隣で眠るのだ」


「チガウ、オレダ」


 ハデスとうさちゃんは、さっきからこの繰り返しだよ。

 困ったね。


「じゃあさ、ハデスはわたしの右側でうさちゃんは左側でどう? 二人ともわたしの隣だよ?」


「……いや、わたしが左側でカーバンクルは右側だ(ペルセポネは左向きに寝るからな)」


 ……?

 ハデスは左側が好きなのかな?


「じゃあ、はい。ハデスは左側でうさちゃんが右側ね」


 疲れたから早く寝たいし。

 このベット、フカフカで気持ちいいね。

 眠くなってきたよ……


「……ペルセポネ、ズット、ゲンキダッタカ?」


 低い声でカタコトだけど、うさちゃんは話せたんだね。

 全然知らなかったよ。


「うん。色々あって……すぐに分かる事だから今話すね? わたしの魂は二つに別れて、もうひとつの魂は別の天族の身体に入っているの」


「ベリアルニ、ハイッテイル」


「うさちゃんは知っていたの?」


「モトモト、オレハ『アノカタ』ノ『ヤミノチカラ』カラ、ウマレタ」


『あの方』?

 吉田のおじいちゃんの息子さんだよね?


「わたしとうさちゃんとベリアルは元は、ひとつって事?」

 

「チガウ。オレハ『ヤミノチカラ』カラ、ウマレタ。ハルカ、ムカシノ、カミノコハ……ツカレハテテイタ。スベテヲ、ニクミ、イキルコトニ、ツカレタンダ」


「天族を憎んでいたんだよね?」


「スベテヲ、ヤキツクシ、ケシサロウト、シテイタ」


「天界を?」


「チガウ。ソダッタ、セカイモダ」


「人間と魔族の世界も?」


「デモ『マソ』ニ、ヤラレテ……オレガ、ウマレテ、スグニ『アノカタ』ハ、シンダ」


「そうみたいだね。吉田のおじいちゃんから……わたしの魂の父親から聞いたよ」


「ヨシダ……『アノカタ』ノ、チチオヤ。『アノカタ』ハ『カミノコ』ダッタ。『アノカタ』ノ、ヤミノチカラヲ、テンカイニ、イドウシタトキニ、オレハ、キヅイタ」


「そう……それからはずっと闇の力の近くで眠っていたんだね」


「ペルセポネガ、ウマレテカラハ、チガウ」


「どうしてベリアルの側にはいなかったの?」


「オレノシル、『アノカタ』デハ、ナイカラダ」


「わたしの悪い心が吉田のおじいちゃんの息子さんの魂だから?」


「……? ソレハ、ドウイウ、イミダ?」


「え? 吉田のおじいちゃんの息子さんが亡くなった時に魂を抜いたら二つに分かれたらしいの。良い魂と悪い魂に……その悪い魂がわたしなんだって」


「……? ダレガ、ソンナコトヲ?」


「え? 吉田のおじいちゃんから聞いたの」


「ソウカ。ダガ……ソレハ、チガウ」


「違う?」


「オレハ『アノカタ』ノ、ナカカラ、ウマレタ。スベテヲ、シッテイル。ベリアルノ、タマシイハ、ヤサシスギタノダ。イキモノ、スベテノ、シアワセヲ、ネガッタ」


 ……?

 ベリアルと『あの方』は別なのかな?


「生き物全ての幸せを? でも……それって……大丈夫だったの? 利用されたりとか……」


「ソノトオリダ。ソノタビニ、ベリアルノ、ココロハ、ツカレハテ、ソノココロヲ、マモルタメニ、アラタナ、ココロガ、ウマレタ。ハハノヨウニ、ツヨク、ナニガアッテモ、ヨリソッテクレル、ココロ」


 何があっても寄り添ってくれる心……?

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