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天族の家族とうさちゃんを捜せ!

「よし、この辺りだなぁ」


 吉田のおじいちゃんの力で真っ暗な海の中を進んでいるけど……

 何も見えないね。


「おじいちゃん? この辺りにうさちゃんが眠っているの?」


「あぁ……そうだなぁ。でも、かなり深い所に埋まってるからなぁ。ポセイドン、ぺるぺるの中に入ってるんだろう?」


 え?

 また入っているの?


「ばれたか……」


 うわあ……

 一体どんな気持ちでわたしの身体の中に入っているんだろうね。

 あ、真っ暗で何も見えないけどハデスの今にもりそうな気配を感じるよ。

 

「ポセイドン! 二度とペルセポネの中に入るなと言ったはずよ! 気持ち悪いわね!」

「また、火干しにした方が良さそうね」


 ヘラとヘスティアが本当にポセイドンを気持ち悪がっているね。


「待ってくれ……これは違うのだ……ペルセポネ、助けてくれ」


 毎回こうなるのにどうしてわたしの中に入り込むんだろうね。

 とりあえず助けないと。


「ポセイドンはいつもわたしを助けてくれているの。だから赦してくれないかな? 悪気は無いんだよ。ね? ポセイドン」


「そうだ。そうなのだ。ペルセポネが心配だからつい入り込んでしまうのだ」


 心配?

 いつも楽しそうに水の力を使って遊んでいるように見えるけどね。


「じゃあ、ポセイドンはこの砂の中からうさちゃんを引っ張りあげてくれ。魔法石の姿で寝てるんだ」


 吉田のおじいちゃんは自分でもできるはずなのにポセイドンに頼むんだね。

 役に立つところを皆に見せたいのかな?

 真っ暗で何も見えないけどね。 


「魔法石か……うん? あぁ……気配を感じるぞ。あれだな」


 え?

 もう見つけたの?


「うわあぁ! すごいよ。ポセイドンは普段はダメダメだけど、さすが海の王様だね」


「ダメダメ……そうだぞ。立派な王様なのだ」


 得意気な声だね。


「はいはい。すごいわね。で? うさちゃんはまだ魔法石のままなのね?」


 ヘラはポセイドンの扱いが雑だね。


「このままで一向に構わないが」


 ハデスはうさちゃんを好きじゃないみたいだよ。


「とりあえず天界に戻りましょう?」


 ヘスティアの言う通りだね。

 誰かに見られでもしたら大変だからね。 

 って言っても真っ暗だし、人間がこんな海の深い所にいられるはずがないけどね。


「そうだなぁ。ヘスティア達は天族の姿のままだからなぁ。人間に見られたら大変だ。って言ってもこんな深い所まで魔族でもなけりゃ潜れねぇけどなぁ」


「おじいちゃん? うさちゃんはどうやったらカーバンクルの姿に戻れるの?」


「そうだなぁ。うさちゃんは寝坊助なんだろう。ぺるぺるの気配を強く感じたら魔法石の姿からカーバンクルの姿に戻るんじゃねぇか?」


「うさちゃんが目覚めるまで待つしかないんだね」


「とりあえず、魔法石はじいちゃんが預かっとくからなぁ」


 それが一番安心だね。

 お父様に渡したらすぐに失くしそうだし。


「うさちゃんはベリアルには反応しないのかな?」


「どうだろうなぁ。もしかしたら反応するかもなぁ」


「うさちゃんとヒヨコちゃんの姿のベリアル……ぐふふ。堪らないよ」


「……ぺるぺるの将来が心配になる顔だなぁ」


 ん?

 こんなに暗いのに顔が見えるのかな?

 

 ……?

 あれ?

 さっきからお父様がやたら静かだね。

 真っ暗で見えないけどちゃんと付いてきているんだよね?

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