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言われてみればわたしとハデスは新婚さんだね

「前王様……お久しぶりです。ペリドットちゃんの隣にどうぞ?」


 おばあ様が嬉しそうにハデスに話しかけているね。


「そうか。すぐ出て行くつもりだったが……ペリドットは疲れていないか?」


「うん。平気だよ? 心配してくれてありがとう」


「ペリドットの結婚相手……うぅ……おじいちゃまのかわいいペリドットの結婚相手……」


 おじいちゃま……

 泣いているね。

 どうしたのかな?


「おじいちゃま?」


「うぅ……ペリドット……その若さで結婚するなんて……ニホンで政略結婚させられたのか?」


 おじいちゃまはわたしの今の状況を詳しくは知らないみたいだね。


「おじいちゃま、あのね? 本当はわたしはニホンの王女じゃないんだよ? 今も魔族の家族と一緒に暮らしているの」


 天族だった事は秘密にしないといけないんだよね。

 気をつけないと。


「魔族の家族? カサブランカちゃんから聞いてはいたが……本当だったのか」


 おぉ……

 真面目な顔もできるんだね。


「うん。赤ちゃんの時に拐われて海に落ちたの。流れ着いた浜辺で魔族の家族に見つけてもらってね。大切に育ててもらったんだよ?」


 懐かしいな……

 

「前王様……? って事は前の王って事か? 魔族の王?」


「うん。じいじはヴォジャノーイ王国の王様だったんだよ? すごく強くて、かっこいいの!」


 久しぶりに『じいじ』って呼んだね。


「人化……なるほど、今の姿は人に化けているのか。ところで……新婚さんって事か?」


「え? 新婚さん? えへへ。そうだよ」


「新婚さん……かわいいペリドットが……新婚さん……ぐすん」


「え!? どうして泣くの!?」

 

「だって、だってぇ……新婚さんならあんな事やこんな事をするんだよ? うぅ……悲しいよぉ。おじいちゃまは悲しいよぉ」


「あんな事やこんな事? ん? どんな事?」


「そりゃあ……あ……」


「うわあぁ! ダメだ! それ以上はダメだあああ!」


 ん?

 ベリアルが慌てているね。

 どうしたのかな?


「黄色いヒヨコはどうしたんだ?」


 おじいちゃまも驚いたみたいだね。


「ぺるみにはまだその話は早いんだ! ぺるみのじいちゃんは黙れ!」


「え? まだ早いって……え? そうなのか? なぁんだぁ……前王様は良い奴じゃないか。そうかそうか。ペリドットは大切にしてもらっているんだなぁ」


「ん? うん! すごく大切にしてもらっているよ?」


 どうして分かったんだろう?


「そうかそうか。おじいちゃまは前王様が大好きになったぞ! あはは! ん? 待てよ? そうなるとひ孫に会えないのか。それは寂しいな。うーん」


「……? わたし達が仲良しだとひ孫に会えないの? なんで?」


「え? そりゃあ……」


「うわあぁ! じいちゃんは黙れ!」


 ……?

 そういえば、赤ちゃんがどうやったら来てくれるかをまだ教えてもらっていなかったね。

 前の世界ではコウノトリが運んで来てくれるんだよね?

 あれ?

 でも、赤ちゃんはお腹の中で育つんだよね?

 どうやってお腹に入るのかな?


「あのさ……前から訊きたかったんだけど、赤ちゃんってどうやったらお腹の中に入るの?」


「ブハッ!」


 ……!?

 ベリアルが飲んでいたジュースを吹き出した!?


「ちょっ……大丈夫? 変なところに入っちゃった?」


「お前が変な事を言うからだろ!」


「え? ヒヨコちゃんは知っているの? ねぇ……教えて欲しいよ? 誰も教えてくれないんだもん」


「そんなの……オレは知らないっ!」


「えぇ? 知っていそうだったのに? ずるいよ! わたしにも教えてよ!」


「黙れ! この変態が!」


「えぇ? 教えてよぉ!」


 うぅ……

 いつになったら教えてもらえるの?



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