表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

423/1484

ベリアルを見るのを禁止されたら楽しみが無くなっちゃうよね

(顔にある目は雷を出す専用なので良くは見えませんが、触手の先にある目はぺるみ様の毛穴まで良く見えていますよ?)


 ゴンザレスは毛穴まで見えているのか。

 それはすごいね……

 なんだか恥ずかしいよ。


「うわあぁ! これがモモかぁ! ゴンザレスも食べような。ほら、あーんしてみろ?」

 

 くぅぅ!

 ベリアルがパンみたいな翼にフォークを持ってゴンザレスに食べさせようとしているね。

 超絶かわいいよ!

 わたしも食べさせて欲しいよ。


「あーん」


 はっ!

 しまった……

 興奮し過ぎてわたしが『あーん』しちゃったよ。


「お前には食べさせないぞ。この変態め! オレはゴンザレスに言ったんだ」


 ……!?

 ベリアルがわたしを変態って言った?

 

「ぐふふ。なんか気持ちいいね。ちょっともう一回変態って言ってみてよ」


「はぁ!? 気持ち悪っ! ゴンザレスはこういう風になったらダメだからな。ぺるみは悪い例のお手本だからな」


「悪い例のお手本!? わたしが!? そんな事無いもん!」


「……お前、自分じゃ見えないだろうけど、顔がにやけてるんだよ! かなり気持ち悪いぞ!」


「え? そんなはずは……」


「一緒にいると恥ずかしいから明日からのアカデミーでは距離を置かせてもらうからな」


「ええ!? イヤだよ! ちゃんとするから! 良い子にするから!」


「お前は口ばっかりだからダメだ!」


「うぅ……かわいいヒヨコちゃんが抱っこできないなんてイヤだよぉ」


「じゃあ、もっとまともになれよ? 分かったな?」


「……はい。ちゃんとするから……フォークに刺した桃を食べちゃお!」


「ああ! こら! それはゴンザレスのモモだぞ!」


「えへへ。甘くておいしいよ。ヒヨコちゃんが『あーん』してくれたから最高においしいよ! ぐふふ」


「この変態め! もう二度と抱っこさせてやらないからな!」


「ええ!? ごめん! ごめんなさい! もうしないからぁ!」


「お前の『もうしない』と『ちゃんとするから』は嘘だからな! 信じないぞ!」


「うぅ……だって……ヒヨコちゃんがかわい過ぎるからぁ……」


「お前……前から思ってたけど都合が悪くなると語尾を伸ばす癖があるよな」


「え? そうなの?」


「癖は自分じゃ気づきにくいからな」


「ぐふふ。ヒヨコちゃんにもかわいい癖があるよね」


「そうか? どんな癖だ?」


「えへへ。まず、歩き始める時は必ず右足からだよね。それから、お風呂に入る時は温度確認を右の翼でチャプチャプして、あとは眠くなるとくちばしをギョリギョリするよね。他にも、お菓子を食べる時は……」


「……お前」


「え? 何?」


「二度とオレを見るなよ! 見過ぎだろ! 気持ち悪いを通り越して怖いんだよ!」


「ええ!? そんなの無理だよぉ。それだけが楽しみなんだから!」


「公爵からも何か言ってくれよ!」


 くっ!

 公爵に助けを求めたね。


「はい。お任せください。まずは、そのフォークにモモを刺してみてください」


 ……?

 公爵は何をさせたいのかな?


「フォークにモモを? よし。分かった。これでいいのか?」


「はい。ヒヨコ様はお上手ですね」


「そうか? で? モモを刺したらどうするんだ?」


「はい。わたしの口に近づけてください」


「ん? こうか?」


「はい。お上手ですね。モグモグ」


「……!? どうして公爵が食べたんだ?」


 本当にその通りだよ。

 公爵は自分も『あーん』して欲しかったんだね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ