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ベリアルを愛してやまない者同士気が合うね

「ふふふ。ペリドットちゃん、この自称『おじいちゃま』に術をかけてあげて? 二度と逃げられないようにね!」


 おばあ様……

 普段はすごく優しいのにまるで別人だね。


「やめてやめて! 絶対逃げないから! 赦してよぉ」


 おじいちゃまは、お父様にそっくりだね。

 他人なのにこんなに似ているなんてすごいよ。

 偉い人って皆こんな感じなのかな?


 ぐうぅ……


 え?

 このかわいいお腹の音は……

 

「うう……なぁ、ばあちゃん、このお菓子食べてもいいか?」


 やっぱりベリアルだね。

 ぐふふ。

 かわいいよ。

 超絶かわいいよ!


「ヒヨコ様、わたしの膝でお菓子をいかがですかな?」


 おお……

 公爵は更に若返ったね。

 おじいさんっていうより素敵なおじ様だよ。


「……? 公爵なのか? また若くなったな。ブルーベリーのタルトはあるか?」


「ははは。ヒヨコ様はお上手ですなぁ。ささ、膝にどうぞ。ブルーベリーとモモのタルトもありますよ?」 


 あぁ……

 かわいいベリアルがわたしの膝からいなくなっちゃった。


「モモ? なんだ? それ」


「甘くて口に入れると、とろけてしまうのですよ?」


「へえ! すごいな! 食べるのが楽しみだ」


 桃かぁ。

 この世界も、前にいた世界も吉田のおじいちゃんが創ったから同じような物がたくさんあるよね。

 桃……

 果汁がたっぷりで、スタイが無いと身体がベトベトになっちゃうよね。

 ぐふふ。

 ぐふふふ。


「ねぇ、ヒヨコちゃん。桃は気をつけて食べないと果汁がこぼれちゃうんだよ? 汚すと大変だから……ぐふふ。スタイをしようね。さっき先生にもらったの」


「そうなのか? なんか下心を感じるけど……汚したら大変だからな。分かった。今すぐつけてくれ」


「ぐふふ。喜んで! えへ……えへへ」


「お前……気持ち悪……」


「気のせいだよ! ほら、スタイを着けたから。安心して食べられるよ? 公爵の膝を汚しても困るからね。ぐふふ」


「おぉ! これは……この世界の全ての『かわいい』をヒヨコ様の中に閉じ込めたようなかわいさですなぁ」


 さすが、公爵だね。

 よく分かっているよ。


「そうなんだよ! ヒヨコちゃんは世界一かわいいヒヨコなの!」


「全くもってその通りですなぁ。ははは!」


「公爵はよく分かっているね。ぐふふ」


「ペリドット様こそ! ははは!」


 ベリアルを愛してやまない者同士気が合うね。


「変態がどんどん増えていくような気がする……なぁ、もう食べてもいいか? モモを食べてみたいんだ。ゴンザレスにもあげるからな」


 ベリアルの言う通りだね。

 皆がベリアルに夢中になっていくんだよ。

 かわいいから当然なんだけどね!

 ぐふふ。


「はい! ありがとうございます。モモですか。高級で珍しくて、なかなか食べられない物ですよね。楽しみです」 


 あぁ……

 礼儀正しい空に浮かぶハリセンボンか。

 かわいいね。

 

 ねぇ、ゴンザレス? 

 ハリセンボンの姿でも目から雷を出せるんだっけ? 

 ゲイザー族の時とは姿が違うけど雷は出せるの?


(あぁ、はい。初代の神に言われました。今の魚の姿は幻と言いますか……皆には魚に見えていても実際はゲイザー族のままらしいのです)

 

 へぇ、そうだったんだね。

 不思議だね。

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