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嫌な予感って的中するよね

「では、本日の講義はここまでです。皆さん気をつけてクラブ活動や帰宅をしてくださいね」


 先生がベリアルをひと吸いしてからご機嫌でクラスルームから出て行ったね。


「「「はい」」」


 はぁ……

 今日も色々あったね。

 まさかこんなに早く令嬢誘拐事件が解決するなんて思いもしなかったよ。

 スウィートちゃんも公爵も処刑を免れて良かった。

 もう少しでジギタリス公爵の思惑通りになるところだったよ。

  

 それにしても……

 一日が長過ぎる!

 いろんな事があり過ぎでしょ?

 

「ぺるみはシャムロックのタウンハウスに行くんだろ? ほら、ぼーっとしてないでもう行くぞ」

 

 ふふふ。

 ベリアルは優秀な秘書みたいだね。

 そして、素敵なポエマー……

 ぐふふ。

 ぐふふふ。

 堪らないね。


「そうだね。まだ少しだけ早いから市場に行ってみない? 市場のかわいいジャックにも会いたいし」


「そうだな。じゃあ市場に行くか」


「ふふ。ヒヨコちゃんはお菓子を買いたいのかな? って、ああ! しまった! 今日のおこづかい全部使っちゃったんだ……」


 市場の守り神になる予定のジャックとお父さんに渡しちゃったんだ。


「お前いつの間にお金を使ったんだよ。全く……オレのこづかいを少しだけ分けてやるよ」 


「え? いいの? うわあぁ! ありがとう」


「次からは無駄遣いするなよ」


「うん! 気をつける!」


 えへへ。

 ベリアルは本当に優しいよ。

 あれ?

 でも、ベリアルはどこにお金をしまっているんだろう?


「ヒヨコちゃんはおこづかいをどこに入れているの? わたしは制服のポケットだけど、ヒヨコちゃんは荷物を持っていないよね?」


「ん? 荷物? オレはそんなの持たないぞ? 空間移動と同じ事を手だけですればいいんだ」


「手だけでする? どうやって?」


「オレはこづかいを第……じゃなくてニホンの部屋に置いてあるんだ。そこに手だけ空間移動してこっちに持って来ればいいんだ」


「そんな事できるの!? すごいよ!」


「ただ、こっちとあっちに身体が別れている状態だからな。気をつけないと向こうに行っている手だけが置き去りにされる可能性もある」


 それって、身体と手がバラバラになるって事!?

 怖過ぎるよ。


「もし、向こう側に生き物がいたら、ヒヨコちゃんが引っ張ればこっちに来られるって事?」


「ん? やった事は無いけどそういう事だろうな」


 あ……

 余計な事を言ったかも……

 嫌な予感がするよ。


「すごいですね! ニホンに手だけが行けるなんて。見てみたいです!」


 ジャックもクラスメイト達も興味津々だね。

 でも、嫌な予感がするんだよ。


「よし。じゃあ、やってみるか。いくぞ?」


 ベリアル……

 お願いだから変な生き物を引っ張り出さないでね。


「ヒヨコ様! 頑張ってください!」


 ジャック……

 瞳をキラキラに輝かせているよ。


「ん? なんだこれ? おかしいな。お金を置いた場所のはずなのに」


 ベリアル!?

 思った通りだよ。

 絶対にあの人が来るよ。


「……! ダメだよ! 絶対に引っ張り出さないで! 大変な事になるよ!」


「え? もう引っ張っちゃったぞ? あ……」


 あ……?

 ベリアルが固まっているね。

 ……!


「てへ。来ちゃった」


 ……てへ、来ちゃった?

 ああ……

 お父様……

 顔だけこっちに来ちゃっているよ。

 って事は首から下は第三地区のベリアルの部屋にいるのか。

 もしこの状態でベリアルが空間移動をやめたら……

 天界の神様は真っ二つになるんだね。



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