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『全種族ベリアルアイドル化計画』始動

「サクサクサクおいしいな……ぐふふ」


 ベリアルは最高のポエマーだよ!

 思い出しただけでニヤニヤしちゃうよ。


「本当にやめろって! 嫌いになるぞ!」


 え?

 嫌いになるぞ?

 っていう事はベリアルは、まだわたしを嫌いじゃなかったって事?

 今後の行い次第では嫌われるのか……

 気をつけないと。


「はいっ! もう言わないから、嫌いにならないでっ!」


「分かればいいんだ。で? なんで嫌いな奴にだけ、このポロポロクッキーを食べさせるんだ?」


 くぅぅ!

 超絶かわいいヒヨコちゃんが首をかしげて尋ねているよ。


「あ、もしかして……ティータイムに、このクッキーを食べさせて『クッキーもまともに食べられない』ってバカにする為とか?」


 さすがにそんな事は無いか。


「正解です! 貴族の世界では、こういう事が日常的に行われています。皆さんも悪意ある罠には気をつけましょうね」


 先生……

 真面目な事を言いながら、さりげなくベリアルの頭に吉田のおじいちゃんが被っていたウィッグを乗せたね。


「「「……」」」


 クラスメイト達が無言でベリアルを見つめているね。

 でも、顔はニヤニヤしているよ。


「うわあぁ! 変な物を頭に乗せるなよ! なんだよ、この髪は!」


 ぐふふ。

 縦巻きロールの髪に大きいリボンの付いたウィッグを被ったヒヨコちゃん……


「「「ぐふふ」」」


 え?

 クラスメイト達が『ぐふふ』って言いながらニヤニヤしている!?

 完全にベリアルに骨抜きにされたみたいだね。

 同志が増えたって事でいいのかな?

 よし!


「あのね……わたしには野望があるの! 皆で『全種族ヒヨコちゃんアイドル化計画』を進めようよ!」


 本当は『全種族ベリアルアイドル化計画』だけど、ベリアルの名前は秘密しないといけないからね。

 今ならきっとクラスメイト達も協力してくれるはずだよ!


「『全種族ヒヨコちゃんアイドル化計画』ですか? それは一体?」


 先生が、ウィッグを床に叩きつけたベリアルをニヤニヤ見つめながら尋ねてきたね。

 プリプリ怒ったベリアルも超絶かわいいよ。

 このかわいさを皆に知ってもらう為にも、ちゃんと説明しないとね。


「ステージで歌ったり踊ったりする超絶かわいいヒヨコちゃんを皆で応援するの!」


「な!? 歌ったり踊ったりするヒヨコ様!? ぐふふ。ぐふふふ。ペリドット様! ぜひ、わたくしにもお手伝いさせてください!」


「先生! 先生ならそう言ってくれると思っていたよ!」


「あぁ……ステージで踊るヒヨコ様……想像しただけで母性が溢れてきました」


「母性が溢れる? それってどんな感じなのかな?」


 前にも言っていたよね?


「そうですねぇ……上手く言えませんが……母乳が出そうな感じでしょうか……」


「……? うーん。難しいね……」


 出た事が無いからね。


「ヒヨコ様を思うと、心が温かくなって守ってあげたくて……ずっと愛らしい笑顔を見つめていたい。そんな感じでしょうか」


「それなら、わたしにも分かるよ! わたしもずっとずっとヒヨコちゃんを見つめていたいから! ずっとずっと笑っていて欲しいの!」


「ふふ。ペリドット様は本当にヒヨコ様の事が大切なのですね。『全種族ヒヨコ様アイドル化計画』なんとも素敵な計画です。クラスの皆さんもぜひ参加しませんか?」


 先生……

 嬉しいよ。


「うわあぁ! はい! 絶対に参加します」

「どんな事をするのかしら? 楽しみだわ」

「ヒヨコ様の為ならオレは何だってするぞ!」


 あぁ……

 残りの学生生活が充実した時間になりそうだよ。

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