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ジギタリス公爵は想像以上のクズだった

「ペリドット殿下、はじめまして。我らは王室騎士団の救護員です。ジャックのお父上の生活の手伝いをするようにと陛下から仰せつかりました」


 ジャックの後ろから走って来た二人は救護員だったんだね。

 皆で家に入ると、ジャックがお茶の準備を始めている。


「我々は平民出身ですので気を遣わなくて済むだろうと陛下が……え? 魚が浮かんでる? しかも、大きくて真っ白いかわいいヒヨコまで!?」


 ヘラはたぶんヒヨコちゃんの姿でも怪力だから、おじいちゃまの膝の上で大人しく待ってもらっていたんだよね。

 あ、静かだと思ったらおじいちゃまは椅子に座ったまま眠っていたんだね。

 ふふ。

 寝顔がかわいいね。

 疲れていたのかな?


「ペル……ぺるみ、おじいさんをシャムロックのタウンハウスに連れていくわ? すぐに戻るから待っていてね?」


「ヒヨコちゃん、ありがとう。助かるよ」


「五秒で戻るから、皆目を閉じていて? 眩しくなるわ。いくわよ?」


 五秒で!?

 そんなに早くおじいちゃまをタウンハウスに送って戻ってこられるの?

 まさか、その辺に放り投げて慌てて帰ってこないよね?


「今帰ったわ。まだ眩しいから目は閉じていてね?」


 あ、わたしは空間移動の光に慣れたからもう目を開けても平気みたいだね。

 すごいね。

 本当に五秒で帰ってきたよ。


「おじいちゃまは、目が覚めなかった?」


「ええ。ぐっすり眠っていたわ。ベットに横になって気持ち良さそうにしていたわよ?」


「送ってもらえて助かったよ」


「シャムロックのおばあさんと公爵はまだ帰っていなかったわ? 今なら黄色いヒヨコの講義に間に合いそうよ?」


「ああ! そうだった! 忘れていたよ! ジャック、わたし講義中だったの。ごめんね、もう行くね? ジャックの服と靴と剣もあるからね。ジャックのお父さん、あとの事は任せてもいいかな?」


「はい。もちろんです。ペリドット様……市場で会っても知らない振りをした方がいいんですよね?」


「そうだね。わがまま言ってごめんね。時々、お菓子を持って会いに来るからね。お給料は月の終わりに持ってくるから。あ、今月の生活費も必要だよね。待ってね? 制服のポケットにお小遣いが入っているから……うーん。銅貨ばっかりだね」


「あの……失礼ですが……お給料とは賃金の事でしょうか?」


「うん。そうだよ? お給料って言わないのかな?」


「あの……まさかとは、本当にまさかとは思うんですが……銀貨をいただけたりするんでしょうか?」


「え? あ、ひと月に金貨を一枚くらいかなって思っていたんだけど……」


「ええ!? 金貨!? そ、それは貰い過ぎです! 泥棒が怖いからそんなには……」


「え? そうなの? わたしは今、黄金の国ニホンの王女だから金貨がいいかなと思ったんだけど……うーん。じゃあ、銀貨なら何枚欲しいかな?」


「ええ!? 言い値でいいんですか!? うぅ……困った……ジャックはジギタリス公爵から月々いくらもらっていたんだ?」


 お父さんはジャックのお給料がどれくらいかを知らなかったんだね。


「月々? 気が向いた時に銅貨を床にばらまかれて、それを拾って貰っていたから……月々いくらかは決まっていなかったけど」


 え?

 ジャック?

 床にばらまいたお金を拾っていたって……

 公爵はそんなに酷い事をしていたの?


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