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クリームブリュレっておいしいよね

「ぺるみ様、お待たせいたしました。さあ、人間用の服と剣と靴です」


 人化したベリス王とヘスティアが空間移動してきたね。


「あぁ……ベリス王もヘスティアもありがとう」


 今さらだけどこの二人……

 すごい美男美女だね。

 

「いいのよ。かわいいペルセポネの為だもの。……? どうかしたの?」


 あぁ……

 ヘスティア達をじっくり見たのがばれちゃったね。


「違うの。ベリス王とヘスティアがすごく素敵だなって思って、見とれていたの」


「え? ふふ。本当にペルセポネはかわいいわね。あ、そうそう。前ウェアウルフ王が動く椅子を作っているわよ? もうすぐ出来上がりそうよ?」


「うわあぁ! 助かるよ。これでリコリス城に安心して連れて行けるね。皆に助けてもらえて本当にありがたいよ」


「ペルセポネが魔族の世界に現れてからは毎日が刺激的で楽しいわ。今度はどんなおもしろい事が起こるか楽しみね」


「えへへ。わたしもまたヘスティアに会えて楽しいよ。あ、ベリス王はクリームブリュレって知ってる? そのレシピを、この服とかと交換じゃダメかな?」


「クリームブリュレ……ですか?」


「うん。プリンの上にカリカリの砂糖を焦がした物が乗っていてね。それが少し苦くて下の甘いプリンと相性抜群なんだ。大人が喜ぶ高級感があるんだよ。貴族が好きそうな感じなの。どうかな?」


「ほぉ。クリームブリュレ……分かりました。では帰り次第レシピをいただくとしましょう」


「作る時に上からバーナー……えーと……火で炙るの。その時に使う魔法石はわたしが魔力を入れるからね」


「そうですか。それは助かります。では、後で契約書を交わしましょう」


「うん。契約書は大事だよね」


 ベリス王はわたしに契約書の作成方法を教えてくれた先生だからね。

 

「そのお菓子の見た目は華やかですか?」


「うーん。地味なんだよね。あ、ベリス王はきんを作り出せるんだよね? 薄い紙みたいな金を少しだけ上に乗せると高級感が増すかも」


「薄い紙のような金を……なるほど。人間の貴族が喜びそうですね」


「例えばだけど、一日何個限定とか特別感を加えるともっと食いつくかもね。そうすると、売れる個数は減るけど食べられない人間は手に入るまで執着するはずだよ? 社交界はクリームブリュレを食べたかどうかの話で持ちきりになるだろうね」


「なるほど。ですが、クリームブリュレはどう宣伝するのですか? 今の話だと、実物を店頭には置けなくなりそうです。うーん」


「『幻のお菓子』を売りにするんだよ。だから、あえてどういう物かは秘密にするの。『食べた人間だけが知れる特別なお菓子』なんて人間の貴族が好きそうじゃない?」


「そうなると、最初に食べる人間はかなり特別な存在でなければいけません。その人間がクリームブリュレを宣伝しなければ話が始まりませんからね」


「適任者がいるでしょ?」


「適任者……ですか?」


「司教だよ」


「司教……確かに。その手がありました。ベリアルに協力してもらいましょう。ベリアルから手渡されたお菓子なら……ふふふ。司教が巡礼で世界中にクリームブリュレの話をすれば……これは忙しくなりそうですね」


 ベリス王はこんなに稼いでどうするつもりなのかな?

 魔族にはお金は必要ないし。

 うーん……?

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