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人魚の海域(8)

「(オレは、何をすればいいんだ?)」


 ベリアル……

 簡単に餌付けされちゃうんだね。


「(ここにいる皆をあっちの島に空間移動させるだけでいいんだ)」


 吉田のおじいちゃん……

 本当に暇だから遊びに行きたいだけなのかな?

 

「(分かった。ちゃんとぺるみにカップケーキを頼んでくれよ?)」


 ……これはもう、確実に皆で人魚の罠がある島に行かされるやつだね。

 ここにいる皆は人魚より強いはずだから……

 どうか、人魚が無事でいられますように。

 特にハデスにやられませんように。


「ペルセポネ、皆で話し合ったのだがやはりあの島は危険だから……」


 ハデスが途中まで話すと周りが眩しく光り、目が開けていられなくなる。

 うわあぁ……

 ベリアルの空間移動が始まったね。

 ハデスも皆も怒らないといいけど。


 あ……

 人魚の罠がある島に着いたみたいだね。

 ハデスの言う通り島中に水路が掘られているね。


「……これは一体? まさか、いや……」


 ハデスが吉田のおじいちゃんを見つめて考え込んでいるね。

 吉田のおじいちゃんが空間移動をしたと思ったのかな?

 まぁ、ベリアルをたぶらかして、移動させたのはおじいちゃんだけどね。


「ふふふ。あははは! 待っていたぞ!」

「何千年ぶりだ!? やっとこの島の仕掛けが日の目を見る時が来た!」

「さぁ、まずは氷の魔法石で痛めつけてやるぞ! あははは!」


 うわあ……

 人魚達は、やる気満々だね。

 ……!

 拳くらいの大きさの氷がいっぱい降ってきた!


「お前達、待て! こちらに前王さ……痛っ! 地味に痛っ! 前王様にこんな事をしたら……ただでは済まないぞ! 痛っ!」


 ヴォジャノーイ族のおじちゃんが、魔族最恐と呼ばれていた前ヴォジャノーイ王がいるって教えてあげているね。

 でも見た目が天族だからね。

 ハデスを見ても分からないよね。

 

 ……それにしても、第三地区の皆は砂浜にうつ伏せに寝っ転がって、落ちてくる氷にマッサージされているね。

 気持ち良さそうに唸っているよ?

 

「くぅぅ! いいぞ! もっと強く降らせてくれ! 腰の辺に頼む!」


 吉田のおじいちゃん!?

 魔族のヴォジャノーイ族のおじちゃんも地味に痛いって言うくらいなのに、刺激が足りないの!?

 

「くっ! なんだ? あいつらは! 人間か!?」

「この氷の罠をもっと欲しがるなんて!」

「よし! 次は火だ!」


 人魚達が明らかに動揺しているね。

 って、次は火なの!?

 さすがに火はマッサージには使えないよね?

 

「おぉ! 今度は火だぞ!」

「焼き芋だ! 芋を持ってきたんだ! 穴を掘るから、そこに火をつけてくれ!」

「ベリアル! 焼きマシュマロ作るぞ!」

「うわあぁい! やったぁ! ウマウマだぁーー!」


 ……なんだろう、これは?

 デジャブなのかな?

 前にも同じような事があったような?

 いや、実際にあった事だったね。


「なんでだ!? どうして人間がこんなに強くなっているんだ!?」

「まさか、オレ達がこの島にいる間に人間達がこんなに強くなっているなんて!」


 あぁ……

 人魚達が動揺しているね。

 第三地区の皆は普通の人間とは、かなりかけ離れているんだよ?

 この人達を人間の基準にしたらダメなんだよ?

 ちゃんと教えてあげないと。

 

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