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これがアカデミーに貴重な物が隠してあった理由なんだね

「おじいちゃま、騎士団長と話があるから下ろして欲しいんだけど。いいかな?」


 さすがに抱っこされたまま真面目な話は気まずいからね。


「そうか? 残念……」


 渋々下ろしてくれたね。


「騎士団長、とりあえずアカデミー内の爆弾は全部回収したから爆発はしないよ? 魔法石の力は弱いけど危ないからわたしの護衛が持ち帰ったの。だから安心してね。人間には難しいだろうからこっちで安全に処分しておくよ」


「あぁ……ありがとうございます。ペリドット様、お怪我が無くて本当に本当に安心しました。では、我らは罪人を連行します。ちょうどヒヨコ様の講義が始まったようです。ペリドット様の機転のお陰で学生が安全に避難する事ができました。ありがとうございました」


「えへへ。ヒヨコちゃんが協力してくれたお陰だよ。あ、そうだ。あなたは、どうして爆弾を仕掛けたの? もうジギタリス公爵は捕まったんだよ? 逃げれば良かったのに」


 この犯人はかなり痩せているし、疲れた顔をしているね。


「……ここまで来たら……はぁ。全部話すから拷問だけはやめてくれよ。……公爵が話しているのを聞いたんだ。アカデミー内に魔法石を決まった形に置くと大爆発して、その後に宝物が出てくるってな。その宝を手に入れた者は世界の王になるって言ってたんだ」


「大爆発して宝物が出てくる? 爆発したら全部壊れちゃうんじゃない?」


「オレみたいな下っぱには分からないさ。でも、どうせ逃げるなら宝を持って行った方が特だろ?」


 もしかして、昔のリコリス王がアカデミーに隠した書物とか魔法石を宝だと思ったのかな?


「爆発させなくても隅から隅まで探せばいいだけの事だよ。これだけの歴史ある建物を壊すのはもったいないよ?」


「……公爵は、なんか変だったんだ。いや、普段から変な奴だったけど、アカデミーの宝の事になると特におかしかった。ジギタリス公爵家だけに伝わる話があるらしくて。なんでも、昔の王太子の弟が『秘密の答え? 』みたいな物を見つけて、それを王太子から隠す為に誰も住んでいない側室の宮だった、今のアカデミーに侵入したらしいんだ。で、その後すぐにリコリス城が火事になったらしくて。その時、弟は死んだらしいな。アカデミーに隠された『秘密』の存在はジギタリス公爵家しか知らないらしい」


「どうしてジギタリス公爵家しか知らないの?」


「その『秘密』を弟と隠したのがジギタリス公爵家の先祖らしいな。でも、火事で死んじまって、正確な隠し場所は誰も知らないようだったな」


「ふぅん。なるほどね。あ、もうひとつ訊きたいんだけど」


「ん? なんだ? 知ってる事は全部話したぞ?」


「どうして、自分は爆発に巻き込まれないって言ったの?」


「え? どうしてそれを……まぁいい。これだ。このブレスレットだ。これは風の魔法石で爆発から守ってくれるんだ」


「風の魔法石? このブレスレットが?」


「そうだ。道端で魔法使いが売ってたんだ」


「……どこかで聞いた話だね。肩に鳥が乗っていなかった?」


「そうだ! よく知っているな」


「うん。アカデミーの先生が偽物の魔法の杖を買わされてね。その魔法使いは今頃神殿に捕まって大変な目に遭わされているはずだよ」


 神殿は(自分の罪は棚に上げて)かなり興奮していたからね。

 偽の魔法使いはまだ生きていれば良いけど。

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