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おじいちゃまが家族想いの優しい人間と知って嬉しくなる

「ハァハァ……ペリドット様……大丈夫でしたか?」


 アルストロメリア公爵が走ってきたね。

 かなり疲れているみたいだよ。

 若返ったように見えるけど、高齢だからね。

 おばあ様は息切れしているけど、疲れてはいないみたいだね。

 さすが元アルストロメリアの騎士団長の娘だよ。


「わたしは平気だよ? おじいちゃま、助かったよ。ありがとう。もう下ろして?」


 ずっと抱っこして走ったからさすがに疲れているはずだよ。


「ペリドットは軽いからな。もうしばらく抱っこさせてくれ。あぁ……あの子の娘に会えるとは……グスン」


 おじいちゃまが泣き始めたね。

 ……誰かに似ていると思ったら、お父様に似ているんだね。

 家族想いで、他はダメダメな感じがそっくりだよ。


「おじいちゃま……お兄様には会った?」


「まだなんだ。夕方には会えると聞いて……でもペリドットの危機と聞いて慌てて駆けつけたんだ。あぁ……無事で良かった」


 おじいちゃまの肩にいる精霊が頭を撫でているね。

 

「あのさ……おじいちゃまの肩にね? 小さい精霊がいるんだけど……知ってた?」


「え? 精霊? 肩に?」


「やっぱり知らなかったんだね。おじいちゃまが泣いているから心配そうにしているよ?」


「精霊が……ペリドットには精霊が見えるのか?」


「うん。詳しい事は後で話すけど……この身体は神様が授けてくださったの」


「神様が? さっき、カサブランカちゃんが話していたな。話の途中でアカデミーに来たから詳しくは聞いていないが……そうか。神様がペリドットを生かしてくださったんだな。お陰で孫娘に会う事ができた。ありがたいなぁ」


「おじいちゃま……わたしもずっとおじいちゃまに会いたかったんだよ? 世界の果てを探していたんだよね?」


「そうなんだ。でもなかなか見つからなくて」


「ふふ。おばあ様は二回も世界の果てに来ているんだよ?」


「え? カサブランカちゃんが?」


「うん。(わたしね? 今、世界の果てに住んでいるんだよ? )」


 おじいちゃまの耳元で小声で話すと、あり得ないくらいニヤニヤ顔になったね。


「ぐふふ。幸せ。……? え? 住んでるって? え? ええ!?」


「(船ではなかなか辿り着けない場所にあるの。魔族に守られた島だからね。見つからなくて当然だよ? 今度空間移動で一緒に行こうよ)」


 ルゥの身体にも会って欲しいし。

 

「空間……移動? それはなんだ? でも……長年の夢が叶う日が来たんだな」


「おじいちゃまは世界の果てに行って何をしたかったの?」


「……それは……おじいちゃまには姉がいたんだが……助けられなくてな……生きている事は聞いていたんだ。でも、どこにいるのかは分からなくて。……船乗りの間で知られている言い伝えがあるんだ。『世界の果てには捜し人が待っている』とな。それで、もしかしたらそこに行けば姉に会えるんじゃないかと思って……」


「あぁ……そうだったんだね」


 ココちゃんのおばあさんをずっと捜していたって事か。

 今すぐ元気に暮らしているって教えてあげたいけど、ココちゃんが海賊だったのは秘密にしないといけないから……

 今は話さない方が良いよね。

 本当に家族想いの優しいおじいちゃまだよ。

 だから、精霊が守ってくれているんだね。

 

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