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シャムロックのおじい様……?

「あの……爆弾を仕掛けている人間が何か唱え始めましたが」


 え?

 ヴォジャノーイ族のおじちゃん?

 あ、確かに何かブツブツ言っているね。

 詠唱かな?


(ぺるみ、あの人間の仕掛けた魔法石は全部見つけて持ってきたから魔法陣の絵の通りには置かれていないわ)

(あの詠唱らしき言葉も我ら精霊には何を言っているか分からないな)

(適当な言葉なのだろう)


 シェイドが書いた文字を間違って解読したのかな?


(そうだろうな。それに、詠唱は精霊を呼び出し力を変換させる為のものだ。あの人間には魔力が無いし、あの偽の詠唱では魔力があったとしても精霊は力を貸しはしないだろう)


 そうだね。

 じゃあ、そろそろ捕まえようか。

 

(まあ、待て。おもしろいから詠唱が終わるまで待とう)

(詠唱が終わって精霊が現れない時の沈黙は最高におもしろいからな)

(ふふふ。確かにそうだな。そうだ。偽の詠唱が終わった瞬間に頭から水をかけてやろう)

(氷を降らせてもおもしろいわよ?)

(雷の方がおもしろいぞ)

(いや、風で空に飛ばしてやるか)


 ……皆、こういうの好きだよね。

 シェイドは?

 どうしたい?


(……消して欲しい)


 ……!

 一番怖い事を言っているね。

 

「ペルセポネ、上位精霊は、なんと言っている?」


 ハデスはわたしが精霊達と話しているのを分かっていたんだね。


「詠唱みたいなのが終わったら嫌がらせをしたいって。誰がどんな攻撃をするかで盛り上がっているよ? ちなみにシェイドは消して欲しいって言っているけど」


「さすが闇の上位精霊だな。立派だ」


 ……ハデスは天族だけど闇に近い力を持っているから、シェイドに考え方が近いのかな?


「生きたままお兄様に引き渡さないといけないから……あ、詠唱みたいなのが終わったみたいだね。どうしようか……? 誰が嫌がらせをするの……」


「ペリドットオオ! ペリドットオオオオ!」


 ん?

 誰かがわたしを呼びながら走ってきている音がする?


「え? 誰かな?」


 魔族ならぺるみって呼ぶはずだよね?

 人間なの?

 お兄様じゃなさそうだし。

 他にわたしを呼び捨てにする男の人間って?

 

「ペリドットオオ! おじいちゃまが助けに来たぞおおぉ!」


 ……!?

 おじいちゃま!?

 って、誰?


「ハデス……誰か来るみたいだけど……外で王室騎士団が立ち入りを禁止してくれているんだよね?」


「そうだな。そのはずだが……」


「もう! あなたが行っても邪魔になるだけよ! 待って!」


 え?

 今のって人間のおばあ様の声だよね?


「カサブランカ! 待て! ペリドット様の邪魔をしてはダメだ!」


 あれ?

 アルストロメリア公爵もいるの?

 じゃあ……

 さっきわたしを呼んでいたのは、シャムロックのおじい様って事?

 どうして爆弾が仕掛けられているアカデミーに入って来ているの?

 おじい様は人間だから危ないのに。

 そういえば『おじいちゃまが助けに来たぞ』って言っていたよね?

 まさか、わたしを助けに来てくれたの?

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