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誰にでも黒歴史はあるんだね

「よし。じゃあ、始めよう。上位精霊の皆、力を貸して!」


(どうしたの?)

(また、おもしろい事をするのか?)

(あ! やっぱり風の奴だけ先に呼び出したんだな? ずるいぞ!)

(今度は何をして遊ぶのだ?)

(第三地区の人間はすごかったぞ。我らの攻撃を受けて気持ちいいと言っていたのだ)

(……ぺるみ、何かあった? 第三地区で皆、さっき水晶見てなかった)


 やっぱり見ていなかったんだね。

 

「ジギタリス公爵の手下がアカデミーに複数の爆弾を仕掛けているみたいなの」


(爆弾?)

(なるほど……爆弾を見つければいいのね?)

(わたしが一番多く見つけよう)

(わたしが一番だ!)


「見つけてもらえるのは嬉しいんだけど、威力が分からなくて。暴発が心配なの」


(ふむ……うーん。慌てる事は無い。魔法石の力は弱そうだぞ?)

(……いや、待て、魔法石の力を辿ってみろ)

(これは……)


「え? 何? どうかしたの?」


(ただやたらに置いているわけじゃ無さそう……)


「どういう事?」


(ジギタリス公爵……? それは偽の闇の魔法陣を描いた奴の名前?)


「え? うん。そうみたいだよ? わたしってばシェイドが……いや違う、そうじゃなくて……とにかく……勘違いしてごめん」


 アンジェリカちゃんの誘拐犯をハデスが暗殺していたって、シェイドが教えてくれた事は口に出したらダメだよ。

 気をつけないとね。

 近くでハデスが見ているはずだし。


(……ぺるみ、気をつけて。まさか……公爵は闇の書を持っている?)


「闇の書? シェイド? 何それ」


(……とりあえず、今は魔法石を見つけるのが先。ひとつでも場所がずれれば魔法石は大爆発しない……はず)


「え? そうなの?」


(考えが合っていれば……魔法石は全部で十二個……)


「十二個? そんなにいっぱいあるの!?」


(ひとつずつは弱い……危なくない。特殊な置き方をすると……力が強まる? って書いた?)


「……? それって……?」


(はっはー! わたしが一番に見つけてきたぞ!)


「あぁ……ネーレウスありがとう。助かったよ。これで大爆発は免れたんだね」


(実際大爆発するかは分からない……)


「そうなの? シェイドが、さっき話していた闇の書って危ない物なの?」


(……)


 シェイド?

 話しにくいのかな?

 もしかして、闇の精霊だけに伝わる秘密の書とか?


(もう話してもいいのでは?)

(そうよ。恥ずかしがる事はないわ?)

(誰でも通る道だぞ? わたしは通らなかったが)


 ん?

 何の話かな?


(ぺるみ……笑わない?)


 うん?

 何を?


(……ぺるみがよく言う……黒歴史……)


「黒歴史? 誰の?」


(昔……書いた……)


「え? 何が?」


(……恥ずかしい)


 ……!

 まさか……

 遥か昔に書いた誰にも見せたくないノートっていう事?


(……いつの間にか無くなってた。そのノートを……公爵が持ってるのかも……)


 え?

 じゃあ、アンジェリカちゃんの誘拐犯が殺害された牢に残されていた魔法陣は本物だったの?


(……あのノートは……かっこ良さそうな事を適当に書いたから……人間が描いた魔法陣は発動しないし。でも力のある魔法石で魔法陣を描けば……どうなるか分からない)


 ……あぁ。

 遥か昔に書いた誰にも見せたくないノートを今になって見る事になったんだね……

 かわいそうに。

 見つけ次第誰にも見られないように燃やしてあげるからね。



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