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人魚の海域(5)

 ハデス、誰もが恐れた前ヴォジャノーイ王であり冥王でもある。

 ゼウス、現在の神様でありたぶん強いはず……?

 ヘスティア、火干しをさせたら右に出る者がいない。

 デメテル、普段穏やかな分怒らせると怖い。

 ヘラ、自分の怪力に気づいていないから常に物を破壊する。

 前ウェアウルフ王のお兄ちゃん、前王だけあって強い。

 ヴォジャノーイ族のおじちゃん達、ハデスに鍛錬されて強い。

 海賊の魚人族達、たぶん強い。

 第三地区の皆、魔術を使える。怖いもの知らず。不死身?

 ベリアル……かわいいヒヨコちゃん。


「って、なんだよ!? 今の説明はっ! なんでオレだけかわいいヒヨコなんだよ!? もう天族だって事を隠さなくていいんだろ!?」


「ええぇ? だってかわいいヒヨコちゃんだし。怒ったベリアルも激かわだねっ!」


 あぁ……

 吸いつきたい。


「わたしが怪力って? ペルセポネ?」


 ヘラは自分の怪力を知らないからね。


「聞き間違いよ?」


 おぉ。

 ヘスティアが、ごまかしたね。

 さすが長女だね。


「じゃあ、ペルセポネはかわいい天族ってところかなっ! えへへ。ペルセポネに強いって言われちゃった」


 お父様……

 ご機嫌だね。

 逃げ足だけは誰にも負けないなんて言えないからね。


「ゼウスは親バカだな。ぺるみはただの変態だ!」


 あぁ……

 生意気なヒヨコちゃん最高っ!


「じゃあ、そろそろあっちの島に行くか」


 吉田のおじいちゃん……

 おかしくない?

 なんで?

 いつから裸なの?

 ずっとおばあちゃんと手を繋いでいたよね?

 どうやって脱いだの?

 確かヘスティアとヘラにも吉田のおじいちゃんが初代の神様であり、おじい様だって話したんだよね?

 自分のおじい様が裸で堂々と立っているなんて……

 そりゃ、そんな顔にもなるよね。

 皆、この世の終わりみたいな顔だよ。


「じいちゃん、マシュマロあるか?」


「脱いだ服のポケットに入ってるぞ?」


「うわあぁい! モグモグ」


 ベリアルは、吉田のおじいちゃんが初代の神様だっていう事を知らないみたいだね。

 この事は第三地区の皆も知らないし。

 黙っていよう。

 それにしても……マシュマロを食べるヒヨコちゃんがかわいいっ!


 後ろからこっそり手を伸ばしてベリアルを掴まえようとすると翼で手を叩かれる。


「この変態め! 百年早い!」


「百年早い!? じゃあ百年後には吸い放題っていう事!? やったぁ!」


「はぁ!? お前の頭の中はどうなってるんだよ?」


「ええ!? そんなのベリアルでいっぱいに決まっているでしょ?」


「え? オレでいっぱい?」


「そうだよ? だからちょっとだけ吸わせてよ!」


「……お前はオレの身体が目当てなんだな! この変態め!」

 

「そうだよ? 悪い!? わたしは変態なんだよ! ど変態なの! もう限界だよ。いただきますっ!」


「うわあぁん! デメテル助けてぇぇ!」


「……聖女様は、本当にヘリオスにそっくりだな」

「あぁ。さすが双子だっただけの事はある」


 ん?

 海賊の魚人族の二人が、お兄様にそっくりって言った?

 お兄様……

 会いに行きたいよ。

 でも……

 まだ心の準備ができないよ。

 ルゥじゃない身体でも『お兄様』って呼んでもいいのかな?


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