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司教の治癒には金塊が効くみたいだね

「司教……だね? 娘を庇ってくれてありがとう。オレはぺるみの父親で……こっちは妃と息子だよ?」


 パパがママとハーピーちゃんを紹介しているね。


「おぉ……そうでしたか。なんと愛らしい。では、そちらがペリドット様自慢の王子殿下なのですね。民が話していました」


 司教はいつの間にか市場に行っていたみたいだね。


「そうなの。弟は激かわなの。こんなにかわいいのに王太子なんだよ? それに、王妃様は血が繋がっていないけど、わたしを本当の娘のようにかわいがってくれているんだよ? だからママって呼んでいるの。すごくすごーく大好きなんだ」


「ぺるみは甘えん坊だな。ママも大好きだぞ?」


 ママが髪を撫でながらニコニコ笑っているね。

 良かった。

 もう、さっきの人間への怒りが無くなったみたいだよ。


「そうですか。ニホンとは平和な国なのですね。どこの国にも王妃と側室の争いはあるというのに……ペリドット様のお心が清らかな理由が分かりました」


 司教はわたしの心が清らかだって思っているのかな?

 ただのモフモフ好きの変態なんだけど……


「家族で争うなんて辛い事だよ? 皆で仲良く過ごした方が毎日楽しいからね」


 パパのこういうところが大好きだよ。


「ペリドット様は素晴らしいご家族に恵まれたのですね。お会いできて光栄です」


 あれ?

 また、少し離れた場所が光ったね。

 誰か来たのかな?

 あ、白いヒヨコちゃんが飛んでくるのが見えるね。

 お母様かな?

 ヘラかな?


「ぺるみ! オー……王様!」


 話したからヘラだね。

 お母様は話さないヒヨコちゃんの設定だから。

 ん?

 何か持っているね?

 ……金塊だ。

 なるほど、ヒヨコちゃんの姿で金塊を持てるのはヘラしかいないよね。

 パンみたいな翼で金塊を抱えていても飛べるっていう事は、翼で飛んでいるわけじゃないんだね。


「白いヒヨコちゃん? その金塊はどうしたの?」


「(ハデスが怒り狂っていたから落ち着かせる為にヨシダさんが第三地区に無理矢理空間移動させたの。やっと落ち着かせたら、人間に殴られそうになったペルセポネの姿を水晶で見てね? 庇ってくれた神殿に寄付をしないとって言い始めたのよ)」


「なるほど。今は落ち着いているんだよね?」


「(ええ。でも……あの人間は今日中には……頭の中はそればかりみたいよ? わたしも参戦しようかしら。ふふ)」


 ……ヘラは楽しそうだね。

 ハデスが暗殺するっていう事か。

 ヘラも加わったら……

 楽には死ねないだろうね。

 

「あ……えっと……そっか」


「まあ、とりあえず、はい。司教。この金塊は王女を助けたお礼にって王女の婚約者が持たせてくれたの。神殿に寄附するそうよ?」


「ええ!? この金塊を!? なんと! ですが、まるで見ていたかのようなタイミングですね」


 おぉ……

 司教が立ち上がったね。

 治癒の力でも治らなかったのに、金塊の威力はすごいよ。


「ふふ。あまり深くは考えないで」


 ヘラ……

 そんな言い訳で大丈夫なのかな?

 

「ありがとうございます! ありがとうございます! 『黄金の国ニホン』に神のご加護がありますように!」


 ……まぁ、司教は金塊がもらえれば深くは考えないよね。

 そういう人間だよ……

 司教の瞳がキラキラに輝いているよ。

 これで神殿もしばらくは安泰だね。

 

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