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優しいパパが大好きだよ

「ママも助けに来てくれてありがとう。大好きだよ?」


「そうか? ママもぺるみが大好きだぞ?」


 ママの人化した柔らかい手が、優しく髪を撫でてくれる。

 いつもの翼と一体化した手も好きだけど、この柔らかい手も好きだよ。


「遅れてしまい申し訳ございません!」


 ん?

 確か、王室騎士団長だっけ?

 騎士三人と汗ビショビショで謝っているけど……

 団長はアンジェリカちゃんの二番目のお兄さんだよね?

 走って来たのかな?


「この男にはリコリス王国から罰を与えてね? ニホンの法だと王女であるぺるみに暴力を振るえば処刑だけど……ぺるみはそれを望まないだろうからね」


 パパが冷静に対応しているね。

 さすが、オーク族の族長だよ。


「はい。あの……」


 団長は、パパが誰だか分からなくて困っているね。


「あぁ……オレは『黄金の国ニホン』の王だよ? 妻と息子と一緒に、娘の劇を観に来たら騒ぎが起きていてね。驚いたよ」


 パパは人間相手でも、変わらず優しいね。 

 水晶で見ていて慌てて助けに来てくれたんだろうね。

 ありがたいよ。


「『黄金の国ニホン』陛下……罪人を捕らえていただき感謝申し上げます。わたしはリコリス王国で王室騎士団長を任されております、アルストロメリアと申します」


「あぁ……いいんだよ? 娘が無事ならそれでいいんだ。じゃあ、はい。罪人を連れて行ってね?」


「はい。ペリドット様……申し訳ございませんでした。それから……(陛下、ペリドット殿下、祖父の病を治していただきありがとうございます)」


 アンジェリカちゃんは知らなかったみたいだけど、お兄さんは聞いていたんだね。

 でも、この感じだとパパ達が魔族なのは知らないみたいだ。


「これからは身体が楽になって、無理をし過ぎるかもしれないから、周りが気を付けてあげてね?」


 パパは本当に優しいね。

 

「はい。本当に……本当にありがとうございました。では、罪人を連行します」


「……今のはアンジェリカちゃんのお兄さんだよね? よく似ているね」


 アンジェリカちゃんのお兄さん達が大男を連れて行くとパパが話し始めたね。


「うん。そっくりだよね。……パパ、本当にありがとう。優しいパパが大好きだよ?」


「パパもぺるみが大好きだよ?」


 パパがハーピーちゃんを抱っこしているわたしを抱きしめてくれる。


「パパ、甘い匂いがするね。えへへ。プリンかな?」


「よく分かったね。ぺるみのピクニックのデザートを作っていたんだよ?」


「うわあぁ! パパのプリン大好き!」


「パパもプリンをおいしそうに食べるぺるみが大好きだよ?」


「うん!」


「あの……ペリドット様……こちらは……ニホンの……」


 司教と生キャラメル神官が座り込んでいるね。

 腰を抜かす程怖かったのにわたしを庇おうとしてくれたんだね。

 ありがたいよ。


「司教、生キャラメル神官……さっきは助けてくれてありがとう」


「え? 生キャラメル神官……? あ、え?」


「あぁ……ごめん。あまりにもおいしそうに食べていたから……えっと、ジャックだよね? 司教も……本当にありがとう」


「ペリドット様……申し訳ございません。腰が抜けてしまいまして……」


 司教はまだ震えているね。


「今、治すからね?」


 治癒の力を使って……

 あれ?


「ごめん。腰が抜けたのは治せないみたい。大丈夫?」


「はい……落ち着けば大丈夫です」


 あ、パパが司教の前に座ったね。

 司教の腰をさすっているよ。


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