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騙し騙される不毛の時間(1)

「ゴンザレス? 疲れちゃったかな?」


 フヨフヨ空を飛んでいたハリセンボンのゴンザレスが肩に乗ってきたね。

 ん?

 あれ?

 この気配は……

 もしかして、闇の上位精霊のシェイド!?

 ……あれ?

 え?

 どういう事?

 あぁ……

 そういう事か。

 ……仕方ないね。 

 シェイドなの……かな?

 わたしの心の声が聞こえる?


(初代の神にやられた……)


 え?

 吉田のおじいちゃんに?

 ……どうして?


(分からない。いきなり目の前に現れたと思ったら、この姿にされて食べられそうになった)


 あぁ……

 針千本だって言いながら飲み込もうとしたんだよね。


(どうして、こんな事する?)


 うーん。

 吉田のおじいちゃんのする事には全部意味があるんだよ。


(……いつ戻れる?)


 吉田のおじいちゃんが、シェイドにやらせたい事が終わったらかな?


(何やらせたい?)


 うーん。

 シェイドにしかできない事……かな?


(……ずっと聖女様の肩にいる)


 ……?

 あぁ……

 今日は天界に泊まる日なんだよ。

 夜には行かないと……ごめんね。


(じゃあ、それまでは聖女様の肩にいる)


 ……うん。

 吉田のおじいちゃんはシェイドをハリセンボンにした理由を教えてくれないはずだから、やらせたい事が終わる時を待つしかないけど……

 シェイドは賑やかなのが苦手だから嫌だよね。


(……そうでもない)


 え?

 そうなの?


(闇の精霊、嫌われてる。だからいつもコソコソしてるだけ)


 嫌われてなんかいないよ?

 シェイドは頭が良いなっていつも思っていたんだよ?

 困っている時に知恵を授けてくれて本当に助かっているんだよ?

 

(……)


 シェイド?


(本当に?)


 うん。

 

(……あいつが、聖女様に闇の力を使わせないから……嫌われてるのかと思ってた)


 え?

 あいつってハデスの事?

 それは、わたしが闇の力を使ったら闇の力に飲み込まれちゃうって心配して言ったんだよ?

 わたしは心が弱いから……


(聖女様の中には闇の力、ある)


 ……?

 どういう事?

 

(オレ、聞いてた。聖女様、遥か昔、魂がこの世界にいた)


 今朝の吉田のおじいちゃんの話だね。


(オレ、この世界できた頃からずっといる)


 え?

 そうなの?


(他の上位精霊もいたはず)


 ……じゃあ、わたしの魂がこの世界で魔族として生きていた時の事を見ていたのかな?


(うん。見てた)


 吉田のおじいちゃんがシェイドにさせたい事ってその時の話をさせる事なのかな?


(……分からない)


 吉田のおじいちゃんの息子さんはどんな人だったのかな?


(心の清らかな者。心の醜い者)


 ……え?


(いつも二つの心、ぶつかってた)


 二つの心がぶつかっていた?

 それって……?


(自分が天族だって知ってていつも天族を滅ぼしたいと思ってた)


 え?

 でも、心の声が聞こえる吉田のおじいちゃんはそんな事を言っていなかったよ?


(……悪い心、隠してた)


 隠していた?

 心を隠すなんてできるの?

 あの吉田のおじいちゃん相手に?


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