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ベリアルの宝物~後編~

「ねぇ、ベリアル? お父様にもらった物って何?」


 ん?

 何か本みたいだね?


「うわあぁ! 見るな!」


「ええ? 見るなって言われると見たくなっちゃうよ?」


 ふふっ。

 背中に隠しちゃって、かわいいヒヨコちゃんだね。

 ほら、慌てて背中に隠したからテーブルの下に落ちちゃったよ?


「ベリアル? 宝物が落ち……た……」


 おぉ!

 これは……

 ちょっと大人向けの本……

 天界にもこういう絵姿の本があるんだね。

 群馬にいる時も、お父様はこういうのを見ていたよね。


「うわあぁ! 違う! オレの趣味じゃないし!」


 あぁ……

 慌てるヒヨコちゃんもかわいい……


「趣味じゃないの?」


「そうだ! 絶対違う!」


「ふぅん……」


 趣味じゃないのか。

 そうか!

 ベリアルは今はヒヨコちゃんだから、ヒヨコちゃんの女の子に興奮するのかも。

 じゃあ……

 ヒヨコちゃんの絵姿に興奮するっていう事!?

 あぁ……

 ヒヨコちゃんの絵姿に興奮しているベリアルを想像したら、わたしまで興奮してきたよ。


 ドワーフのおじいちゃんに頼んで、ベリアル用のヒヨコちゃん(ちょっとエッチなバージョン)絵姿集を作ってもらおう。

 ふふふ。

 ベリアルも男の子だからねぇ。

 泣いて喜ぶだろうねっ!




 数日後……

 完成した絵姿集を手渡した時のお話。



「はい。ベリアル。プレゼントだよ?」


「ん? なんだ? お菓子か?」


「違うよ? ベリアルが大好きな物だよ?」


「ん? オレが好きな物?」


「うん。ヒヨコちゃんのパンみたいなかわいいおててでも、めくりやすく作ってもらった本だよ?」


「え? 本? え? なんだこれ……」


「えへへ。ヒヨコちゃんの(ちょっとエッチな)絵姿集だよ? ドワーフのおじいちゃんにお願いしたの。ほら、わたしが描くと暗闇にうごめく何かになっちゃうから」

 

「……」


 ああ……

 本を見つめながら嬉し過ぎて震えているね。

 かわいいっ!


「(バカ……)」


「え? なに? よく聞こえなかったよ?」


 もしかして、嬉し過ぎて声にならないとか?

 かわい過ぎるよっ!


「うわあぁん! ぺるみのバカーー!」


 え?

 バカ!?

 飛んでどこかに行っちゃった。

 ああ……

 お年頃で恥ずかしかったのか。

 二人きりの時に、こっそり渡せばよかったね。


 ふふふ。

 後でじっくり見られるようにベリアルの枕元に置いてきてあげよう。

 

「ぺるぺる……ベリアルはヒヨコの姿だけど、ヒヨコのメスには興奮しねぇと思うぞ?」


 吉田のおじいちゃん、違うんだよ。

 ベリアルは天族の女の子は趣味じゃないって言ったんだから。

 絶対ヒヨコちゃんの女の子が好きなんだよ。

 もう……ベリアルの恥ずかしがりやさんっ!

 

 翌朝、枕元に本を置いた事をベリアルに散々怒られた事は……言うまでもない。

 

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