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かわいいハリセンボンの名前がゴンザレスか……

「うまあぁぁい! モグモグモグモグ……」


「いやぁ……本当においしいですなぁ」


 ベリアルと学長はおじいちゃんと孫みたいになっているね。

 って、ん?

 何?

 ベリアルの後ろに何か丸い物が浮かんでいる?

 クラスメイト達もじっと見ているね。

 何かな?


「え? ちょっと待って? その子って……え?」


「モグモグ……うん。朝のハリセンボンだ! 付いてきたそうにしてたから連れてきた!」


「え? でも、水に入っていないよ? しかも浮かんでいるよ?」


「ほら、ゴンザレスも食べるか?」


「ゴンザレス? まさかハリセンボンの名前?」


「うん! オレがつけたんだ! 強そうだろ?」


 このハリセンボンって吉田のおじいちゃんが創り出したんだよね?

 このかわいい姿でゴンザレスか……

 まぁ、それはいいとして……


「水とか必要ないの? 魚なのに空に浮かんでいるし……」


「モグモグ……神様が深く考えるなって言ってたぞ?」


「神様……」


 吉田のおじいちゃんの事かな?

 ハリセンボンなのにお菓子好きとか浮かんでいるとか明らかにおかしいでしょ?

 まさか、誰かの魂が入っているとか?

 でも、誰の?

 うーん。


「なんと、この見た事の無い魚も神様から授かったのですか!? 素晴らしい。なんともかわいいですなぁ」


 あぁ……

 学長が手を伸ばした事に驚いたゴンザレスが膨れちゃったよ。


「おお! 大きくなりました! これは一体!?」


「あぁ……驚いたりするとこうなるみたい。時間が経つと元に戻るから大丈夫だよ」


「そうでしたか。ゴンザレス様、驚かせてしまい申し訳ございませんでした。ささ、こちらのクッキーをどうぞ」


「サクサクサク……」


 おぉ……

 クッキーを食べる姿がかわいいね。

 ヒヨコちゃんのベリアルと同じクリーム色で、並んでいるとベリアルが風船を持っているみたいですごくかわいい!

 ぐふふ。

 堪らないね。


「ペリドット、公女はどうするの?」


 ココちゃんが心配そうに話しかけてきたね。


「うん。先生に心配をかけたくないし、拐われそうになる振りはやめるよ。公女には、やったらダメな事を教えていくつもりだよ? まぁ、大人しく聞いてくれるとは思えないけど」

 

「ペリドットが強いのは分かっているけど、絶対に一人にならないでね? 約束だよ?」


「ココちゃん……うん。分かったよ。いつもヒヨコちゃんがいてくれるし、今日からはゴンザレスもいてくれるみたいだから大丈夫。離れた所からは護衛も見守ってくれているんだよ?」 


「公爵は誘拐できないって分かったら他の事を仕掛けてくるかもしれないから、常に気をつけてね? 休み時間はわたし達が毎回来ようか?」


「え? あぁ……ふふ。わたしがココちゃんとアンジェリカちゃんを守ろうとしていたのに、わたしの方が守られているね」


「ペリドット……公爵はペリドットが思う以上のクズよ。気をつけないと」


「クズ……か。嫌いな相手に罪を擦り付けて処刑まで追い込む、みたいに?」


「さすがに『処刑になる罪を擦り付ける』まではいかなかったようですが、先王陛下の目と耳を塞ぎ堕落させたのは公爵でした。先々代の陛下がご存命の頃の先王陛下は穏やかでお優しかったのです。先々代の陛下が崩御後は……まるで人が変わったかのようだったと……もしかしたら公爵が先王陛下に闇の魔術を……」


 アンジェリカちゃんは公爵の悪行を『王子の婚約者』として幼い頃から見ていたんだね。

 ルゥの父親は元々穏やかで優しかった……か。

 どうしようもないクズだと思っていたけど、そうじゃなかった時もあったんだね。

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