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ベリアルの宝物~前編~

「ペルセポネ、全て終わったわ」


 夕日が沈む頃、お母様が第三地区に迎えに来てくれる。

 広場で夕食後のお茶を飲んでいる地区の皆も話を聞いている。


「お母様? 全てって? もう全部の罪を白状したの?」


「ええ。ご丁寧に帳簿をつけていたのよ? 全く愚かだわ。ブラックドラゴンに自害させられた大天使がいなくなった後は、さらに悪さをしていたようね。今回処罰できて良かったわ」


「……そう」


「ペルセポネ? どうかしたの? 元気がないわ?」


「あ……えっと……」


 自害させられるのかな?


「……ベリアルを傷つけていただけではなくてね、傷害、暴行、恐喝、詐欺。他にもペルセポネには聞かせられないような悪い事をたくさんしていたの。何を誰からいつ奪い取ったのかは全部書かれてあったから、全て持ち主に返されたわ。……はい。ベリアルの持ち物よ? 返すわね?」


「あ……これ。まだあったのか」


 テーブルの上にいるヒヨコちゃんの姿のベリアルに何かを渡した?

 なんだろう?


「宝物なんでしょう? これを取り返したくて、無理矢理言う事を聞かされていたの?」


「……そんな大切な物じゃない。ゴミだからって捨てられたかと思ってた」


 ……?

 なんだろう?

 

「それは……」


 ハデスは知っているのかな?


「あ……見るなよ!」


 隠した?

 ベリアルはハデスに見られたくないのかな?


「ベリアル……」


 やっぱり、ハデスは知っているんだね。

 ハデスがあげた物だったのかな?


「別に……そんな……これが宝物ってわけじゃない。ただ、オレに物をくれる奴なんていなかったから。これが……初めてもらった物で……だから……」


 ベリアル……

 天界にいる時は寂しかったんだね。


「ベリアル……宝物を盗られて無理矢理嫌な事をさせられていたんだね。かわいそうに……ハデスがくれた物ってなんだったの?」


「うわあぁ! 見るな! 違うって! 宝物じゃないし!」


「ペルセポネ……これはわたしが渡した物ではない。弟が……姉達にばれないようにその場にいたベリアルに渡した物だ」


 ハデスもベリアルも慌てている?

 二人ともずいぶん昔の事なのによく覚えているね。


「あら? そうだったのね……へぇ」


 あれ?

 ヘラも来ていたんだね。

 ん?

 怒っているみたい?


「わたし……先に帰らないといけない用事ができたわ? ゼウスと大切な話があるの」


「ヘラ? もう行っちゃうの?」


「ええ……ペルセポネはもう少し地上にいてね?」


 ヘラ……笑っているけど怖いね。

 いつもの火干しより大変な事になるかも……


「えっと……うん」


 これは……お父様が悪い事をしたのかな?


「ちょっと……ヘラ? 神殿を壊さないで? 直すのが大変だから。ペルセポネ、一時間後にお母様の宮殿に来てね?」


「え? うん……」


 一時間暴れるっていう事かな?

 ヘラが暴れたら大変な事になりそうだね。

 でも、ヘラがあんなに怒る物ってなんだろう?


 お母様とヘラが空間移動をしていなくなると、ベリアルがため息をついている?

 宝物が返ってきて嬉しくないのかな?

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