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公女は少しずつ変わり始めているのかも?

「王様に色々教えたのはアルストロメリア公爵だよ?」


 おばあ様が話してくれたから確かだよ?


「は!? あんな他国の人に何が分かるっていうのよ。アンジェリカだってそうよ。所詮は……」


「所詮は、何?」


 アンジェリカちゃんの悪口なんて言わせないよ?


「は? わたしの言葉を遮ったの?」


「感謝して欲しいくらいだよ? アルストロメリア公爵を侮辱したあげくアンジェリカちゃんにまで悪態を……こんな事をして、今までは赦されたとしてもこれからはわたしが赦さないよ?」


「は? なんであんたに赦されないといけないのよ?」


「今のままじゃ公女がひとりぼっちになっちゃうからだよ? そんなの寂しいでしょ? 公女が公女の地位じゃなくなったら皆離れて行っちゃうよ? そんなの嫌でしょ?」


「そんな事あり得ないわ? わたしは産まれながらの公女だもの」


「公女は地位を剥奪される時はどんな時か知っている?」


「は?」


「王族を侮辱したり、国を揺るがすような悪事を働いた時だよ?」


「だから?」


「今公女がしているのがそれじゃないの?」


「え?」


「公女、冷静に考えてみて? おかしな事ばかりじゃない? やってはいけない事をしているのかもって思い始めているんじゃない?」


「……それは」


「今ならまだ間に合うよ? だから、お願いだよ。周りのおかしな行動を冷静に客観的に見て? 普通、あり得ないんだよ? 王族を侮辱するのは絶対にダメなんだよ?」


「……今さら……戻れないわよ。もう進み始めているんだから」


「え? 何が?」


「今さら……優しくなんてしないでよ! わたしの前から消えてよ!」


「公女? ……苦しいんだね。本当は何か変だって分かっているんだよね? 公女ならきっとやり直せるよ。今だってわたしの言葉に耳を傾けてくれたでしょ?」


「……」


「大丈夫だよ? 一人で進むのが怖かったらわたしも一緒に進むから。公女が正しい道に進むならわたしが隣を歩くから。ね?」


「一緒に……?」


「うん。公女が頼ってくれたら、わたしは……」


「もういいわ! あんたは結局偽善者なのよ! でも……今日で終わりよ……わたしは、間違ってないから……悪いのはあんただから……」


 公女……

 公爵が何かを仕掛けようとしているんだね。

 でも、公女は心からはそれを望んでいないんだよね?

 まぁ、公爵がする事なんて誘拐に決まっているけどね。

 この口ぶりだと今日だよね。

 はぁ……

 面倒だね。

 今日は属性検査会場でベリアルのかわいさを皆に知らしめたり、シャムロックのおじい様に会うので忙しいんだから。

 うーん。

 あ、ふふふ。

 良い事を思いついちゃった。

 誘拐の現場に司教や神殿の皆が鉢合わせたら、公爵はどうなるだろうね。

 さて、じゃあそうなるようにあの木の上で見ているハデスに伝えないと。

 昨日あれだけの騒ぎを起こしても全く反省しないでわたしを拐おうとするなんて。

『黄金の国ニホン』の王女を敵に回したらどうなるか教えてあげるよ。

 

 

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